六人の嘘つきな大学生。今回面接の中で6人それぞれの裏の顔、クレーターを封筒を使って暴露されながら面接が進む。 でも結局それが全てではなく

完全なハッピーエンドとは言い難いと思うから、最後はやっぱりどこかもやっとした感は否めないけど先が気になる展開でどんどん読み進めてしまった。最終的には犯人はなんかあ、だよねって思える人九賀くんだったな〜。九賀くんの気持ちは分からんこともないけども。前半の主観は羽多野くんで後半の主観は嶌さん。同じストーリーを辿るのに、主観が変わるのはなんか新鮮な感じ。あとあの飲み会での感じは優しさだったと知れたのは心がほっこりしたし、やっぱりみんながスピラから内定をもらえる世界線がほしかったな〜〜と思ったよ!!(笑)就活のイヤミス…かと思いきや!あちこちのヒントを拾い集めても辿り着かなかった。いやフェアって、この世にフェアなんてありまへんで。とにかくうれしい裏切りの連続、明日も頑張ろう!6人の最終選考に残った就活生のお話です。1か月後までに課題であるディスカッションをして仲を深めていくのですが、本番当日に告発文がありました。 この作品深いなと思いました。面接での一面は自分が良いと思ってもらう為の一部でしかありません。告発文を晒された面は醜い一部でしかないのです。もう少し角度を変えたら実は‥って事があるのかも知れませんね。誰しも人間関係で苦手な方いると思いますが、それはあくまでも一面であって良い所もあるかもしれません。もう少し判断材料増やし、吟味することが大事だと思わせてくれる作品でした。軽薄で自己中心的な大学生達の就活ストーリーかと思いきや、それぞれが個性的でしっかりと芯を持った行動だったことが次第に明らかになっていく展開。面接官が学生達を採用する難しさもよく描かれた、良き作品だと感じました。結局社会に出てしまうと、大抵の人はそんなに大したことができるわけでもなくて、結局社会の歯車でしかいられない。だけれど就活生は夢を見るし努力もするし、集団面接では謀略をかましたりする。採用する側はろくに頭を回してないし回す暇もないのに。 個人的にはヒロインと主人公の妹のパートが好きでした。結局人って死んでからどう語られるかが最終的なステータスなんだよね。2度読みました。 最初、学生たちの就活の様子がたいへん面白かったのですが、ある「事件」が起きるとあれほど生き生きとしていた学生たちが急に書き割りような「演技」を始めてしまいちょっと萎えました。しかしそのまま物語のいく末を最後まで見届けようと読み進めていくと、次第に本作に込められた作者の深い思いに気付かされてハッとしました。 人に対する単なる性善説とは違う、祈りにも似た思い──世の中の理不尽さにぶつかった最初が、就活だったという人は一定数いると思う。その後の社会人生活において、理不尽さにぶつかるときや、昇進などで「運」の要素に左右されることは多々あるわけで、そのうち慣れたり、諦めたりしていくにしても、その切実さにおいて、やはり就活というのは独特なものがあり、その辺の機微がうまく使われていた。最後に、みんないい人だったという種明かしは蛇足のような気もするけど、全体に面白かった。「就活」、コワイ!「日本国民全員で作り上げた、全員が被害者で、全員が加害者になる馬鹿げた儀式です。」の言葉に、さらにコワサを感じた。「誰もが胸に『封筒』をかくしている。」、同感。であると同時に「おそらく完全にいい人も、完全に悪い人もこの世にはいない。」ということも「真実」だよなぁ。今の高校生、大学生の未来が明るいものであってほしいと切に願う。 最後の、結局出されることの無かった波多野くんの告発にはやられました。 大好きな小説です。図書館本。 就活中のお話だからまあ期待はしてなかったんだけど、この本は1番面白かった!笑 「羽多野は犯人じゃないだろう〜」と思っていたらやっぱ違った、犯人にはめられてこのまま終わるのえ、まじかと思ったけど最後は終わり方よかったです 就活中だからこそ差さる部分たくさんあった。自分をよく見せるために嘘ついているのは就活あるあるですよね そんな中で九賀?はあの事件を起こした。途中までは正論かましてる感じして納得のするところもあった、、 やったことはよくないし、頭いいのなら別のとこに使え!と思っていました笑笑「就活」と「嘘」は並べて話題にされることも多く、それが受け入れられてしまっている状況。類を見ない大企業の最終選考に優秀な6人が残り、仲間としてライバルとして内定を望む。本当にいい人は就活で見破ることは不可能、これが本質だと突きつけられるよう。嘘が嘘で固められ、見える部分とそうでない部分、物事の本質を捉えるのが難しいように、その人の本当の人柄を見つめるのは難しい。ただ、人のためを思って誇張せず動ける人はいい人だと思う。私はこの本を読んで幸せな気持ちになれた。感想の趣旨としてはズレるが、6人とも好きだったな。先ずは「九賀くんのご両親、彼に一度でいいからウェルチを買ってさし上げて!!」って思った。仲良いままでいられたはずなのに…悲しいことよ。 ミステリ的には、犯人の二転三転が大変面白かった。まんまと誘導された。あらゆる伏線が綺麗に回収されていくので再読が楽しい。 そして再読して気づいたことだけど、嶌さんの好きな人って九賀くんってことだよね…。びっくり。波多野くんも、徹頭徹尾いい人なのかと思ったら、最後の腹黒大魔王でウワーッてなるし…いい意味で裏切られまくる良いお話でした!!ある企業の最終選考に残った6人の学生と、その企業の採用担当者をも混乱の渦に巻き込んだ封筒事件。誰がなんのために仕組んだのか、解き明かされていく中で見えてくる就活生のやるせない思い、採用側の本音、入社後にわかる企業の姿など、最後まで楽しめた。前半は“就活”という尋常じゃない世界で繰り広げられる頭脳戦。そこで起きる“事件”の謎が後半少しずつ明かされる。タイトルで「全員が嘘つきだ」と提示しておいて、実は…というエンディング。できすぎだと思ったけど、悪くない。はじめてオーディブルで読了。就活って本当に自分を見失うし、今だったらもうちょっと評価する側の気持ちがわかるからまっとうなこと言えたかも。準備した上で、その人と働きたいかは、結局面接官の感覚で決まる。でも優秀な人か全然会話にならない人かは、ある程度わかるよね。たとえその人の全貌はみえないとしても。この6人はみんな優秀だったしいい人だったというハッピーエンド。いい話だけどそこがちょっと出来すぎているなと思った。私も諦めず、ラベルをはらず、人と接しよう。アリバイの証明。そこがキーな気がした。久賀が、羽多野が暇とわかってたけど、他のやつは用事があったようだし、まぁ大丈夫だろうと、判断したのだろうけど、大胆な印象。 登場人物の人格に関して、悪くない印象で終わったのは好印象。 ゲーム感覚で就活用人格を作ってしまうというか、そういうところは経験ある人多いだろうし、久賀の気持ちがよくわかった。 総じて楽しかったです。一気に読んでしまった。 面接の題材が変更になる前と後で関係が崩れていく様は、とても悲しかった。 月の裏側にはクレーターがあり、私達が見ることができる表側よりも不細工。 今回面接の中で6人それぞれの裏の顔、クレーターを封筒を使って暴露されながら面接が進む。 でも結局それが全てではなく、全体の一部分であること。 確かに誰も選ばれても正解なのかもしれない。 読みながら自分自身も騙されてしまってとても面白かった。人気のスピラリンクスの就活、最終のグループディスカッションにて。何者かが持ち込んだ各人のスキャンダルによって内定者1人を選ぶディスカッションは思わぬ展開に。”月の裏側が見えていなかった”のはこちらです。完全に騙される。朝井リョウさんの「何者」は就活が怖くなったけど、これはあほらしいものに見えてくる。九賀君のせいで。結局のところ6人ともいい人だったということだから、ある程度就活も意味あるってことだけど。

後宮の烏7。嬢や衛青との別れ亘と慈恵とやり取りはウルっときたな。最後沙那賣家の皆が幸せそうに語らうシーンも良かった。

シリーズ最終巻。烏の半身を求めて海底火山の噴火する島に向かう寿雪たち。鼇の神との対決。迎える大団円。いやあ改めて寿雪は色んな人に愛されているのだなあと思った。周りのみんなの手助けが彼女をついに烏の呪縛から解き放したのだ。もちろんそれは彼女がこれまでやって来たことの御陰でありご褒美とも言えるだろう。彼女のそして高峻の望みは叶ったのだ。それでもこの結末には一抹の寂しさを感じてしまう。それは多分、自分が寿雪側ではなく高俊側で見ていたからだろう。残される者はいつも寂しいものだ。ステキな物語をありがとうございました終わってしまった…皆幸せそうな最後で良かった!!人がそんなに死なないので楽しく読めた!出てくるお菓子がとにかく美味しそうだった!寿雪が海商してる時の外伝出てほしい!シリーズ完結巻。海をバックに舞い上がる烏の羽と共に、凛とした横顔の白銀の髪の寿雪が描かれた表紙にグッとくる。神々の戦い、烏妃の解放、高峻と寿雪の別れ…色々あっさり終わってしまって寂しいけれど。色んな問題も収まるところに収まった。寿雪のこれからの幸せを願う人達は沢山いるし、きっと自由な海商生活を送れる事と思う。自分は自由になれないけれど、約束を違えず寿雪を解放した高峻…2人の友情が晩年まで変わらない結末も良かった。寿雪の海商生活の話とか読んでみたい…寿雪、九九、温螢、淡海のやり取りが好きなので。シリーズ7冊目、完結編。神々の戦いが終わり烏妃が解放されて寿雪も自由の身になった。色々大団円で良かったです。 後年帝位を退いた高峻と寿雪であろう老女がいつも碁を打っていたという一文でファンタジーはこうあってほしいという気持ちが満たされた。寿雪の戦闘シーンがあるのかと思ったが、肩すかし。サナメ一族がメインだったのか??とはいえ、ハッピーエンド。高峻と寿雪が皇帝と妃の関係ではなく、友人としての関係を選んだのにホッとする。寿雪には、皇帝の寵を競う世界にはいてほしくなかったので。脇役たちの活躍をもっと読みたいので、外伝を期待。幽宮と楽宮の神の境界の島、界島へ向かった寿雪。烏漣娘娘の半身をもつ白雷と対面し、鼇の神との最終決着。自由の身となった寿雪、漸く解放されて良かったと思う反面、後宮を去ることになって寂しさも残った。けどその後の寿雪と高俊らが友として交流にていたことに嬉しくなった。別れは切ない……と思ったが、文で碁を打ち、余生には対面で、というのも、二人らしいと言えばらしいのかもしれない。晨兄さんにも、心のよりどころが見つかって、ホッとした。寿雪の海商編、番外編で出してほしい。最終巻なのに沙那賣家の話がメインで驚いた。辰も亘も亮もそれぞれの形で報われる結末を迎えられて安心した。特に亘と羊舌の話がすごくよかった。血のつながりによらない縁を結ぶ亘が血のつながりに捕らわれていた辰との対比になってるのがまた…烏妃の役目から解放されて自由になった寿雪のその後が多く語られなかったのも想像の余地があっていい。烏妃じゃなくなっても九九たちがそばにいてくれてることが嬉しい。あと衛青と手巾の交換をするところが大好き。お互いを身内として受け入れていることがわかるとてもいいシーンだった。神々の戦争からよく分からなくなり、物語の終結に向けて主人公のはずの寿雪は傍観者。なにはともあれ、丸く収まったようで何より。これ、初期の頃の寿雪の心理描写や寿雪を取り巻く頃の話が面白かったな。兄との話は読者サービスかな。むしろ、サナメ親子、兄弟の話がメインとなる。サナメ兄弟、妹、皇太子一族が仲良くて平和なのが何よりです。奥様は妬婦と言われて喜ぶ三男がかわいい。娘ちゃんが買ってきたのを先に読ませてもらいました。 最終巻と知らずに読んでたので、残り数ページになって、あ、もしかして終わるん?ってびっくりしつつ、 しゅっとした終わり方で、よかった。 スピンオフ海商篇あるかなぁ。前巻から離れていて忘れていた名前が、話の進むうちに思い出す。上手く収まった感もなくもないが、これはこれで。神の半身でも、生身の人間が受け止めるにはキツいと思う。寿雪が半身を受け取り、烏妃を解放出来たことは喜ばしいが、主が離れた形で物語るのは寂しく感じた。アニメ化は何処までか。予習してから読むべきだった。なかなか話に入り込めなかった。何百、何千年の烏妃の役目が終わるときにしてはあっさりし過ぎてる。それぞれ前向きな道を進むようだが望んでいたものとは違っていた。冷たいようだが、壮大な物語にするには深い哀しみや絶望がもっと必要かもしれない。それでも二人が向き合って囲碁を打てる未来ならいい結末なのか。これはハッピーエンドということだろうか。寿雪と高峻との関係はこれで良かったのか これが最良なんだろうか。最初にこの結末を予想できなかった。もう一度機会があれば はじめからじっくり読み返せばこの物語が深く味わえることだろう。サナメ一族の話でもあったのか。高峻と銀髪とも白髪ともつかぬ豊かな髪の老女の二人が碁を打つ 穏やかな風景が浮かぶ。驚くほどにきれいに終わった。これ以上ないくらいのハッピーエンド、ちょっと心の動きに追いつけないキャラもいたが。これはサナメの物語だったのかw? 航海の護符のくだりがエモい。終わったいまでは自分がこの物語にどういう結末を望んでいたのかわからなくなっているが、少なくとも作者はしっかりみんなを幸せにしてくれたので高評価としたい。終わってしまった。 烏妃をきちんと終わらせて、次に進めた寿雪たち。 チーム寿雪のその後の海での冒険譚を想像するとワクワクする。是非、番外編を。 温螢と淡海が寿雪の両脇に控えている画が浮かぶ。海賊やら悪徳商人やらを蹴散らしてほしい。 高峻から内密に各地の調査とか頼まれて奔走してほしい。面白かった。みんながいるべきところに落ち着いていい読後感の終わり方だった。サナメ家の兄妹がみんな幸せになったのがよかったわー。特に亘と慈恵の親子。お互いがお互いの救いになった様子がよくわかる。寿雪と高峻はこれしかなかったよね。この2人が結ばれるってことは、寿雪が今度は後宮に縛られるってことになってしまうから。本当は高峻も海を渡って外にに行ってみたかったんだろうね。他の国の様子とかも気になるから、海商になった寿雪の後日談が読みたいな。とうとう終わってしまった。皆がそれぞれ幸せな終わりで良かったなと思う。之季が己の欲望に駆られず、小明を解き放つことができて良かった。寿雪と高峻はこの終わりで良かった気がする。寿雪は烏妃であったが、本当の妃になるのは違うなと思ってたし、海商はとてもしっくりきた。そして温螢、淡海、九九が寿雪と共に居てくれて嬉しかった。花嬢や衛青との別れ、亘と慈恵とやり取りはウルっときたな。最後沙那賣家の皆が幸せそうに語らうシーンも良かった。本編は終わってしまったけど、また番外編があるようなので楽しみに待ちたい。朝陽の最期が意外にあっさりしていたな、晨の出生の禁忌話に比べて。寿雪と衛青、兄上と呼ぼうか、兄さまのほうがよいか、とたんに顔しかめたので笑った。いい下りです。他の呼びかたではしっくりこない、他の呼びかたを使ってから申せ、笑える。祀典使の職に就く者はもうすでに存在している、アユラかな。薄目の本だったが美しい言葉・難しい漢字・意外に多いひらがなと優しい読後感(特に沙那賣兄弟の祝いの酒の場面)で満足だった。白雷の行動にも驚いたけど、最後も意外で静かに終わった。高峻がぜんぜん出てこなくて、ようやく登場したかと思ったら別れ、、。烏妃よりサナメ兄弟がメインだった気がする。救われた亘のように長男もと思っていたら、最後に精神的に救われてよかった。後宮の話なのに全ての人が優しい。造語が馴染めずなかなか理解できなかったり覚えられなかったけど、寿雪には後宮の中で自由に生きてほしかったなぁ。

女のいない男たち。 誰かを失うと深く傷つくが強がって傷ついていないふりをしてしまうこともある。しかし然るべき時に傷ついておけば免疫がつく

映画『ドライブ・マイ・カー』を観て、原作を読んでみたくなり、読みました。原作は映画とはだいぶ設定が異なり、よくこの量であの物語を作れたなと関心してしまうぐらい、原作と映画には開きがあります。ドライブ・マイ・カー以外の話もどれも、女が去ってしまった男達のダメダメっぷりが、これでもかと詰め込まれています。私は村上春樹が好きなので、大丈夫なのですが、村上春樹独特のくどさ(バターにバターソースかけて食べるような)や生々しい性描写(独特な性癖)が苦手な方は読むのを止めておいた方がいいでしょう。「シェエラザード」が特に面白かった。村上春樹にしては分かりやすい話の進み方だったし、内容も読み進めるごとに引き込まれた。「木野」は個人的に面白かったが、長編で読みたい話だった。村上春樹の長編小説を短編にまとめてダイジェストで読んでいるような感覚で、もったいない気持ちになった。ドライブ・マイ・カー」→高槻を値踏みする、家福の非情さが素敵。 「イエスタデイ」→いつ読んでも可笑しくて切ない。 「独立器官」→命取りな恋。江國香織の「桃子」を思い出した。実話っぽく書かれていて 、『東京奇譚集』に入っていても違和感なさそう。 「シェエラザード」→羽原の置かれてる状況は明かされないまま終わるのが不思議な感じ。 「木野」→長編をぎゅっと短くしたみたいな短編だと思った。続きがあるんじゃないかと勘ぐってしまう。木野。村上春樹っぽくて好き。 p122当時は僕のまわりで次々にいろんなことが起こったし、それに追いついていくのがやっとで立ち止まってそこで起こったものごとをいちいちノートに書き留めておくような余裕はとてもなかった。(イエスタデイ)p178しかし僕らの人生を高みに押し上げ、谷底に突き落とし、心を戸惑わせ、美しい幻を見せ、時には死にまで追い込んでいくような器官の介入がなければ、僕らの人生はきっとずいぶん素っ気ないものになることだろう。(独立器官) 「女のいない男たち」→シュール。ドライブ・マイ・カーを観て。「ドライブ・マイ・カー」は近所の地名が出てきてテンション上がった。家福の、観客のいない演技、を西島さんはちゃんとやってたよね。「頭で考えても仕方ありません。こちらでやりくりして、呑み込んで、ただやっていくしかないんです」「そして僕らはみんな演技をする」 「独立器官」もし実話だったら嫌だな…恋煩いで死んじゃったお医者の話。「シェラザード」ドライブ・マイ・カーの一部はこっから来てる。ベッドで語られるお話。 しかし久しぶりに村上春樹読んだけどやっぱり面白いな!前書きで言っているように一つのテーマについて書かれた短編集なので、ヒントが多い分、村上春樹にしてはわかりやすい?いやわかんないけどわかるような、明言出来ないけど感覚的に理解はできるような…。六つの短編で構成されたこの本。独立しているが、初めの解説にある通り、一貫性を持った作品だった。 そしていつも思うのは、それぞれの物語に出てくる人々の姓が、珍しいという事。映画『ドライブ・マイ・カー』が面白かったので読んでみた。 「僕は彼女の中にある何か大事なものを見落としていたのかもしれない」それを致命的な盲点と語る家福に、高槻は「本当に他人を見たいと望むなら自分自身を深くますっすぐ見つめるしかない」と言った。 何かの役を、自分を演じることでしか接することができない。そうやって心の内を見せない男が、他人の心の内を探ろうとしている。 彼女の心の見えない部分を覗き込むのに必死で、自分の中の問題に気づけないのが、彼の盲点だったのではないだろうか?『木野』 傷つくことからいくら逃げ続けても、自分の心からは逃れられない。 深夜に響くノックの音が激しく心を揺さぶる。 痛みを感じることは苦しいが、その痛みこそ存在の証明なのだ。 心を手放さないために、寸前で踏みとどまる。 やがてノックの音は脈打つ心臓の鼓動になり、窓を叩く雨音と重なる。 『木野の内奥にある暗い小さな一室で誰かの暖かい手が彼の手に向けて伸ばされ、重ねられようとしていた』 木野は暗く静かな部屋の中で涙を流す。 妻との別れの時に重ねられた手の最後の温もりを、ようやく感じとれたのだろうか?実ははじめての村上春樹作品でした。 アカデミー賞を受賞した作品だったので、気になって読んでみました。しかし、ドライブマイカーは、私にはイマイチピンと来なくて、ちょっと残念でした。 木野の内容が、気になる感じでした。 作品によっては、ぐるぐる回っていて、なかなか進んでいないような気にもなり、初心者には、まったく難しいとも思いました。アカデミー賞を受賞され、映画を見て、何とも言えない気持ちになり、小説も読んでみた。結構、映画とは違っていてこれはこれでまた別の作品として楽しめる。個人的に村上春樹さんの本でも読みやすい短編ばかりでした。前半のお話がわかりやすくて好きでした。独立器官はタイトルの意味が恐ろしい。映画が良かったので読んでみたが、まったく合わなかった、、、たぶん好きな人はいるんだろうし、刺さる人はいるんだけど、私は嫌い、、、こんなロマンチックな目で女のことを語られても、、、という感じ。アカデミー賞受賞って話題に乗って読了。映画の原作ドライブマイカーをはじめとして6作の短編からなる短編集。はじめから読み進めて、最後のタイトルにもなっている「女のいない男たち」で完結するような内容。一人の女性を深く愛し、そしてその女性が去ってしまう。そうなると男ってどうなるのか、人によって様々なんだろうけど、依存っていうのかな、ぽっかりと穴が開いたような状態が後に広がって乗り越える事ができないと自分も自分から去るしかないって感じかな。とても村上春樹さんらしい短編でした。ドライブマイカーの映画を観る前に先に原作から読もうと手に取りました。村上さんの作品はあまりたくさん読んでませんが、なんだか青春とか女性像にひっかかりを持った男性が主人公なものが多い印象で、この短編集はまさにでした。映画はこの短編集のいくつかをつなぎ合わせたような感じでしたが、世の男女はこんなにも経験を重ね業を抱えて生きているものなのでしょうか。とりあえずちょいちょいグサッとくる表現や一文を読むだけで満足感はすごいです。何にグサッときたかはもう覚えていないですが。そんなものですよね。文庫の新刊 村上作品は久しぶり アカデミー賞受賞作の原作ということで 映画は見ていないが この短編集の複数の話が取り入れられていると聞く 「ドライブ・マイ・カー」は俳優の家福が飲酒事故を起こし 免停となったので雇ったドライバー・みさき 赤色じゃなく黄色のサーブ・コンバーティブルに乗ってて 家福は助手席に乗りながら 癌で亡くなった妻のことを回想し そして妻と関係を持ったある男のことを思い出す 妻の死後に関係を知ってて 友達付合いを始めるってどうなの 妻がどうして関係を持ったのかを知ってもしょうがないじゃないはじめて村上春樹さんの作品を読みました。とても読みやすかったです。話題だから読みました。短編集だが、映画はどんな感じで描かれているのか気になる。結局、なぜ妻は他の男性とねたのか、、 謎は解決されたのでしょうか。。昔読んだはずだけど、アカデミー騒ぎで騒がれてどんな話だったっけ?と読み返した。この話で一本の映画を撮ったってすごいな。死んだ妻が薄っぺらい男と寝てたのが謎で納得いかないが、よくわからないけど妻にはそれが必要だったんだね…って。それは妻も薄っぺらい人間だったってことではなくて、他に止むに止まれぬ事情があったってこと?薄っぺらい男と寝ることでしか鎮められないものってあるか?サッパリ分からないのは、わたしが幼稚だからなのでしょうか…。村上春樹のセクスが絡んだ話は苦手なのです。映画を観る前に購読。映画は「ドライブ~」「シェエラザード」「木野」を融合したような話でしたな。「女のいない男たち」はひどく抽象度が高く、「木野」は純文学っぽいテイストだった。「ドライブ~」は原作に忠実に、90分くらいの映画にしてもそれはそれでよかった気はする。「イエスタデイ」村上作品にしては珍しく関西弁が出てきた(東京出身者が流暢な関西弁を話す、というキャラだったけど)。「シェエラザード」の男(羽原)はなぜ「ハウス」から出ないのだろうとか、短編とはいえ不明点多し。「女のいない」というか「いなくなった」では『独立器官』が1番好きだった。 女の人(彼女や妻)を失った(別れてしまった?)男の人達の話。 誰かを失うと深く傷つくが、強がって傷ついていないふりをしてしまうこともある。しかし、然るべき時に傷ついておけば免疫がつく。然るべき時に傷ついておかないと、その傷は後になってもっと深い傷になって自分に降り掛かってくる。 大切なパートナーや愛する人を失い、傷つきながらも、人は乗り越えて強く生きていかなければならない。 愛する人を手に入れた時から、既に終わりの方を考えてしまう。 切ない。「音楽で言えば『コンセプトアルバム』に対応する」短篇集。「女のいない男たち」というモチーフで「様々な角度から立体的に眺め、検証し、いろんな人物をいろんな人称をつかって書いた」もので、書下ろしの表題作を含む6篇。どの主人公にも共通するのは、向き合わない、逃げている、つまり『木野』にある「おれは傷つくべきときに、十分に傷つかなかったんだ」かなと思った。6篇ともそれぞれに印象的でどれも面白かった。天国での私のBGMは「エレベーター音楽」ではないなあ、たぶん。観て、原作が読みたくて購入。複数の短編をネタに全く違う話に。この短編集では、現実と齟齬をきたした男が、社会から逃げ出す話。今と相手と自分に向き合うことを求める。1話目の家福、妻の浮気を咎める機会を失い立ち止まる。2話目の木樽、唯一の彼女に浮気を勧め、現実化すると脱走。3話目の渡会、名うての女たらしが、崇徳院の若旦那化。4話目の羽原、世間から身を隠し、ヤツメウナギになる。5話目の木野、離婚から目を背け、何故か逃亡の身。「女のいない男たち」の僕、もとカノの自死の知らせに悶々

スイート・ホーム。どの話もあたたかい。料理教室の未来さんにはぜひ幸せになってほしい。それを踏まえた続編を期待したい!

大好きなシーンは、妹の晴日ちゃんの結婚式です。いっこさんが歩けるようになった姿を見せ、そして晴日ちゃんと一緒にヴァージンロードを歩くシーンは涙しました。マハさんの温かい小説に癒されました!宝塚にある洋菓子店が舞台の物語と言うことと、原田マハさんの作品と言うことで手に取りました。 とても暖かくて、じんわりするオムニバス。集まる人々も優しくて、こちらも優しい気持ちになれました。幸せな人たちしか出てこずなんだかなあと思ってしまいました。 話も上手くいきすぎてます。 人によっては羨ましく思ったり僻んでしまうと思います(私がそうでした) 残念ながら私には合わなかったです…。甘いお話はそれほど好きではないのに、なんでだろう。いちいち涙を浮かべてしまった。洋菓子店「スイート・ホーム」を舞台にその家族や常連客などにまつわる連作集。嫌な人はひとりも出てこない。ひたむきで思いやりにあふれた人たち。思いが叶えば「よかったね」と素直に思うことができた。ただ、娘家族と同居したいと躍起になっている夫婦の物語だけは好きではなかったけれど。日々の暮らしに彩りを添えるスイーツ。何気ない日々に寄り添ってあたたかい気持ちにさせてくれる洋菓子店があるといい。緑豊かな住みよい街にある、素敵な洋菓子店に関わる人たちの家族の幸せを描いたほっこり暖かいお話。この前に読んだ瀧羽麻子さんの『うちのレシピ』もそうだけど、美味しいものと日常の幸せの組み合わせって良い。好き。1日の出来事を詳しく描かれているというよりは、例えば始めに独身だった陽皆が章ごとに結婚し、子供が生まれ、という感じで、幸せな場面を切り取りながら、時がさらっと流れている。私も「スイートホーム」を築きたいな。この雰囲気に憧れ、「いいなぁ」と思いながら読んだ。幸福をまるまる詰め込んだような話。ご都合的で出来すぎなところはありますが、いいじゃんご都合でもハッピーな方が!て感じ。嫌な人も出てこないので安心して幸福のなかに浸れます。初読。マハさん。あまーいあまーい連作短編集。メインの香田一家はケーキ屋さん。文字通り甘い訳だけれど、それは単なるケーキの甘さに止まらず、登場人物それぞれの恋人、家庭へと続く。悪い人は出てこないし、悪いことも殆ど起きない。唯一、おばちゃんが倒れるけれど、それさえもその後の展開のお膳立てのようなもので。何かと世知辛い、生きづらい世の中だけれど、こんな甘さもあっていいじゃない。だってそれは作られた、人工的な甘さではなく、本当に自然で優しい甘さなのだから。そんな夢と希望が詰まっている。幸せそうな家族で羨ましいです。私はあんまり共感できなかったな…。良い話なんだけど、私の人生とか考え方とは違いすぎて、朝ドラみたいだなーと。出てくる人がみんないい人すぎてちょっと…。結婚が全てみたいのもちょっと古い感じがする。タイトル通り胃もたれするような本でした陽だまりのようなポカポカ心が温かくなるお話でした。 海を見下ろす丘の上に佇む、小さなケーキ屋さん、スイート・ホーム。 パティシエの人柄が表れたケーキは、訪れる人を笑顔にするだけでなく、時に優しく見守り、背中を押してくれるよう。 ある意味、街のパワースポットなのかも? 素朴だけど、丁寧に作られたパティシエのケーキ、食べてみたいな〜! 登場人物もみんな素敵な人ばかりです。 素敵な人の周りに素敵な人が集まるってことなのね♡ 幸せのおすそ分けをもらった感じでほっこりしました。全ての登場人物が暖かくていい人。物語も絵に描いたようなハートウォーミングストーリばかりです。この小説には不幸はありません。登場人物が骨折する場面と、受験に失敗する場面がありますが、それすらも美談に置き換えられます。ハッピーエンドてんこ盛り。いやはや満腹だ。色々な性格・年齢・職業の人が関わっていて、どの章も楽しい、暖かい話だった。小説ってだいたいハッピーエンドだろう、と決めつけて読んでいるとそうでもない部分があったり、そんな奇跡みたいなこと自分にも起きたらなあと思ったり。上手くまとめられないが、忙しいときほど読みたい本だなと思った。落ち着く。あ、ただ一つ気になった部分としては、一関西人として、関西弁が京都寄りすぎるのでは、、、と、この言い方は変やなあと、、、いう部分が多々あった。(笑)幸せだった。この物語に触れている間、私は幸福の時間を過ごしていた。 運命の人と出会い、仲が縮まるきっかけは心のこもったお見送りスタイル。初心に戻ることを大事にしてる料理研究家、結婚式の日のサプライズはリハビリを頑張っていた大好きなおばとのバージンロード。他にも街に愛された「スイートホーム」を舞台に紡がれる日々はキラキラしていた。 いいことばかりではないけれど、甘くて美味しい物を食べると自然と笑顔になる。そんな空間である「スイートホーム」に行ってみたいなぁ!お店の話だと、行きたいなと思うのですが、全く思いませんでした。身内すぎて何だか平凡で平坦。主人公の名前を読みやすくしてほしい。洋菓子店「スイート·ホーム」を軸にした短編集。どの話もあたたかい。料理教室の未来さんにはぜひ幸せになってほしい。それを踏まえた続編を期待したい!宝塚という街にある小さなパティスリーを舞台にただひたすらに日常のちいさな出来事の浮き沈みを描き、なにも悪いことは起こらない。まさに小さな砂糖菓子のような短編集。すべてが丸く、幸せにおさまる童話のようなお話。でも当たり前だけど人生にそんな平穏なことなどない。あえてそれを描かないことに、この戦争の時代を考えてしまう。原田マハの深慮かと疑うのは考えすぎか。

赤と青とエスキース。構成の美しさに感動した。 最初から最後まで、美しくつながっていた。 青山美智子さんの作品は本当に外れがない。

期待どおりの面白さ。著者らしい優しい物語でした。赤と青とエスキース、タイトルが秀逸です。ラスト、予想外の繋がりに鳥肌が立ちました!最後の怒涛の伏線回収!お見事でした。 映画化(映像化)は伏線がはれないから、ないだろうなー。若手画家が描いた1枚の絵画が、長い時間を経て何人かの人生を動かすきっかけとなっていく……と書くと何だかとっつき辛そうだけど、文体も設定もサラッと優しくてとても読みやすい!一つの絵画を巡る4つの連作短編。1つ目と4つ目は同一人物だろうなまでは考えていたが、2つ目と3つ目にも登場していたとは。エピローグを読むと全てが繋がる。特に2つ目の短編、主人公がエスキートの額縁を製作する話が好きだった。100年先も絵が残るような、そして夢が夢を超えることもあるのかもしれない。 もう少し毒気と粘り気がある方が好みだし、まとめ方が綺麗過ぎてちょっと笑っちゃうぐらいなんだけど、素直に良いお話だなあとじんわり思える素敵な連作短編集でした。図書館本。エスキースと言う1枚の絵で繋がっている連作短編かと思いきや、1組の男女の愛の話でした。なんとなく「冷静と情熱のあいだ」を思い出した。お探し物〜よりも私はこちらのが好みかな。連作短編という構成は同じだが、苦味と深み、コクが増したと思う。対象年齢が上がったというか。上質なミステリーのような仕掛けも面白かった。 生きていれば、良い時も悪い時も体調が優れない時もありますね。「東京タワーとアーツセンター」の熱い感じが好きでした。「トマトジュースとバタフライピー」の師弟関係も良い。剣さんの一生懸命な感じだけど、格好つけたくなるの分かります。でもバレてるもんだよね。何より装丁がオシャレ赤鬼と青鬼の話が好き。エピローグで、あぁ、それがそこにつながるのね、なるほどね、とスッキリ。前評判やら帯の煽りやらで期待値が高すぎたせいで却って肩透かし。ワーホリの女の子がチェーンスモーカーだと言う事だけで一話目がかなり昔の話だってことは想像できたから(今のオーストラリアでは煙草一箱2千円するからとてもこんなにカパカパは吸えない)、その後のことは丸ごと想定内。ジャクソンが21歳の時から10年ごとに四話続くわけだ。この名前もポロックを連想させるよなあ。オージー訛りだとBLUEがブーでREDがレイになるのか、なるほど。それでも綺麗に纏まって仕掛けも阿漕ではなくいい印象のままに読了できた装丁に惹かれて購入。そういうことかー!となったけど、日頃内省的なものばかり読んでいるからなのか、イベントを追うような読み方になってしまって反省。再読する。何度もグッと胸に押し寄せる其々の熱い想いに涙ぐまされた。実際に見た訳では無いのに、飾られた絵が目の前に見えるようで素晴らしい表現力だなと感動。一枚の絵が繋ぐ物語。レイとブー(茜と蒼)がずっと登場していたのは気づかなかった。赤鬼と青鬼の女性はレイだろうと思っていたけど。金魚とカワセミで印象悪かったユリさん、別人ぽかった。 芸術っていい。音楽にしろ絵画や彫刻にしろ、作者はいなくても作品はずっと残る。 作品がある限りもうこの世にない作者が息しているみたい。赤と青とエスキース、想像していた以上に意味の詰まったタイトル。二度読み必死に大納得。今まで気に留めていなかった額職人の「存在」を知りたいと思えた作品でもあった。ああ、いい小説だ。時間軸のズレとあだ名と名前で読み手の想像力を試される一冊。若き日の異国での寂しさ無力さが30年後にグッと効いてくる。そしてはたと気付く。青赤ともに私と同い年。後半の怒濤の伏線回収の興奮に浸りながらも、読後の何とも言えない充足感と喪失感。50歳は、天が自分に与えた使命を悟った「知命(ちめい)」というらしい。悟るにはまだまだ。未だエスキースの途中。面白かった!今まで読んだ青山さんの作品とはまた違う感じで読み終わってまた初めから見直す感じ。新たな発見にひとりで満足感を味わう。題名の意味さえ知らずに読んだので本当に楽しめた。予備知識なしで読むのがオススメ。登場人物が皆、愛しい。オーストリア在住のブーと留学で訪れたレイの期限付きの恋。感情をコントロールできたら誰も苦労しないんですよ…からの30年に渡るふたりの物語が始まってたなんて!帯の二度読み必至は間違いなく、赤と青ってそういうこと?え、これもそうじゃん、レイとブーがこんなところに!って最終章での怒涛の伏線回収はお見事!一回読んでもう一度読み返す本は久しぶり。エピローグがジャック視点でぐっとくる。無事に旅が終わったんだね。 青山さんは短編のほっこり系のイメージだけど長編すごく良かった。これは単行本で残しておきたい。オーストラリアの青年画家が描いたエスキースにまつわる話。モデルとなった日本人留学生のその後に大きな影響を与えています。このエスキースが描かれた過程を読むと、画家としての個性を確立するきっかけとなる技術が使われていて、その分だけ思い入れの強い作品なんだなと思います。額縁の世界に触れられたのも良かったです。面白かった。青山美智子さん読破中。最後の一冊で2022年時点の最新刊を読みました。 絵、オーストラリアなどの共通点はありつつも、今までの青山さんとはテイストが違う感じでした。文章構造が面白い1冊だった。どの章も、〇〇と△△そして××、といった作り方で生命力(生きようとする力)について語られていく。プロローグを正直に読めば、第2章と第3章は「エスキース」がジャックにしかわからない言葉で語っていると捉えても良さそう。特に第2章では作品としての片翼をなす額縁がテーマなので、それだけアツくて「エスキース」にとっても大事な話だったんだろうな。赤の空知と青のジャックを結びつけて作品を完成に導くのが村崎(紫)さんなのも納得できる。こういう仕掛けみたいなものを楽しみながらじっくり読める1冊。あの二人はこの二人で、そして例の二人なのね。読み終わった瞬間、もう一度さかのぼりたくなります。でもこのくらいの余韻がいいのかも。面白かった!青山美智子さんの作品は本当に外れがない。 バラバラの話が、1枚の絵「赤と青のエスキース」によって繋がり、作者ジャック・ジャクソンの年齢によって時間の経過が分かる。20歳、30歳、40歳、50歳。 と思っていたらプロローグで全部が見事に繋がる。 30歳で円城寺画廊の二人、40歳では喫茶カドルのマスター、50歳でユリさんがオーナーの輸入雑貨リリアルで働くレイと元恋人。 赤redのレイこと立花茜と青blue のブーこと円城寺蒼の物語。人生100年時代、50歳の茜と蒼の物語はこれからも続く。うん。なるほど。最後のエピローグを読んでそれ以前の章の仕掛けに気づく。この本は1枚の絵を通してある一組のカップルの30年が描いている。読み手が異なるから気づかないかもしれないが、全ての章に2人が関わっていた事に驚いた。少し斬新だと思ったが、青山先生らしい繋がりを大事にした作風は変わらない。一枚の絵が色々な人生の場面に立ち会う話かと思っていたら、最後の仕掛けに気付いたところで(いい意味で)鳥肌たちそうになった。章タイトルが毎回赤と青の対比なのもあとから気付いた。男性向け情報誌DAPの乃木さんって、『鎌倉うずまき案内所』の…!恋人男女とエスキースをめぐる5つの連作短編集。メルボルンでの二人の期限付き切ない恋物語「金魚とカワセミ」。絵をさらに生かすための額縁職人の心意気に触れた「東京タワーとアーツ・センター」。努力家漫画家師匠と天才弟子との心の交流「トマトジュースとバタフライピー」。ストレスで動悸の発作を抱える50歳レイと穏やかなプー「青鬼と赤鬼」。30年を経て、二人が一緒になり、エスキースを巡っての作家ジャックとの交流「エピローグ」。これは、学生時代から50代までのレイ(茜)とプー(蒼)と共に生きたエスキース(下絵)の話だ。構成の美しさに感動した。 一貫したテーマがエスキースの絵である、ということにとらわれて、最後の主人公がレイである、ということに気づかせないトリックにまんまとはまるし、その場面や台詞も印象的なせいでより一層の驚きと感動だった。 ひとつひとつの短編の完成度が高い、きちんと作品になっていることが何よりも素晴らしい。 赤と青という色彩の美しさ、エスキースという言葉の持つ意味と作品中での役割と重要性、ブーとレイの関係性への踏み込み、そして読みやすさからみんなが好きになるのも納得の作品でした。いい本を読めたなあという満足感でいっぱい。1章は、メルボルンでの期間限定の恋人ブーとレイの物語。各章が《エスキース》の絵画と縁ある人の連作短編集。2章の額縁職人と3章の漫画家、それぞれの師匠と弟子がお互いを思いやる言葉がとても心地よく、4章も主人公に心寄せながら読んでいたら、終盤仕掛けが明らかになり驚いた。長い年月をかけて紡がれていた奇跡の物語だった。《エスキース》から次に始める《本番》にはどんな未来が描かれるか楽しみだ。赤と青を、モチーフにした題名はじめ、様々な名前、人名はとっても楽しかった。表紙も素敵。読みやすくてオシャレ。読後温かい気持ちになれる。 一つの絵を背景に、色々な人の暮らしや葛藤、光も見せてくれて最後のああそうかのはらおち感! 各話の登場人物も身近で親近感があり、それぞれの環境で頑張って生きているのがいい。 人生は一度しかないと考えたら怖くて思いっきりなんてやれないけど、人生は何度でもあると思ったらどこからでも、どんなふうにでも新しく始められる。 だけどそれを経験する体は一つだから、なるべく長持ちさせる。 時には生き延びること、ただそれだけでいい。 自分も世の中も常に変わっていくから。

あきない世傳 金と銀。浅草太物仲間は大阪や江戸で酷く苦しめられた呉服仲間と違い本当に懐の深い人たちだ

浅草太物商との協力体制が、しっかり固まる。火事に見舞われつつ、幸と五鈴屋は大きな災難とはならかった。一方、音羽屋に嫁いだ結の所は、大打撃となるが、五鈴屋潰しに拍車をかける。五屋の技を盗み歌舞伎役者を使い浴衣を売り出したり、綿の買い占めを行ったり。が、幸達太巻商は、協力しあって乗り切る。そして、毎年創業日の売出に来てくれるご夫婦の正体は、相撲の興行主とわかる。そして、幸に力士達への浴衣を注文してくれる。 まさしく、コンサートの物販。400年経っても、商売の根っこは変わらない。あー、次が楽しみ。浴衣を一時の流行りで終わらせないため技を伝授して、浅草太物仲間との絆を深める。毎年1回必ず来るお客様との絆を大事にしていたら、大きな依頼があった。小さなトラブルはあっても、店主は悠然としていて揺るがない。絆を大事にすること、誠実に商いをすることで着実に…という流れ。前巻と似た流れですね。そろそろ波乱も来るかな? 浅草太物仲間が呉服も扱えるように変化していけるかも…ということで、しばらくぶりの呉服商いも再開?浅草太物仲間、スゴイ決断!その発想は、やはり五鈴屋が己のことだけを考えるのではなく、太物をみんなで広げて行こう、みんなで商いを続けていこうという心がけが通じたればこそ。素晴らしい。今回はお相撲が絡んだのも嬉しかった。あのお方がまさかの。ずーっと以前からチラホラ出てくるだけだったけど、なんか意味深だった。ここまで引っ張っる伏線だったとは。驚きました。さて、話戻って。呉服太物仲間としてお上は認めてくれるだろうか。楽しみです。火事とかの天災の辛さはあったけど、人の裏切りとかそういう暗い話があまりない巻でよかった。力士と浴衣、いつ繋がるのかと思っていたらようやく。年に一度来るご夫婦の素性も分かってすっきり。浅草太物仲間から浅草呉服太物仲間へ、という申し出。情けは人の為ならず、的な?ちょっと違うか。ショッキングな状態での終わり方でなくこういう前向きな変化のわくわくでいつも終わってほしい。今巻は『和を以て貴しと為す』浅草太物仲間との協力体制で臨んだ浴衣販売は、一人では成し得ない仲間がいるこその喜び。呉服太物仲間へ書き換え案には涙が出ました。いつものご夫婦も判明。綿に縁があるなら在所の大地主?でもオシャレだし地方の大店?と考えたのですが当たりません(笑)惣二の存在も大きかった。音羽屋の憎し恋しも生きていればこそ。菊枝との相性も良さそうです。鈴簪が粋なお披露目でしたね。一度沸いて静まり、踊る鈴と絹ずれの音だけが響く舞台を想像すると鳥肌が立ちます。次は出帆編。呉服も商う五鈴屋の行く末や如何に。おもしろかった!ヒロインだけど幸はあまり好きじゃないけど、逆境を真っ当に乗り越えていくのを見るのはおもしろい。菊栄は好き。 賢輔が花火の時に幸の腕をとったり、火事の時に濡らした風呂敷で幸を包んだりと幸を守るところにキュンとした。お梅は結婚できたけど、お竹はこのまま一生独身なのかな。お竹にも春が訪れるといいな。11巻は火事が多くて悲しみが降りかかりましたが、五鈴屋の商売は順調。力士の名前を入れた浴衣は壮観なんだろうなあ。 そしてラストは遂に呉服を扱えるようになりそうな。。。うるうるしてしまった。全ては幸の誠実な商売のやり方によるもの。それに答える浅草太物仲間も素晴らしい。もう11巻!まずは幸先よくお梅どんの婚礼からはじまっておめでたい。この巻は全体としては何度も大火事見舞われる江戸で辛い事も多かったけれど、幸の器の大きさを何度も感じさせられて涙が…。江戸時代のお相撲は女性は観戦さえもできなかったとは知らなかった。商売以外にも本当に勉強になります。湯屋への往復にと浴衣を大いに流行らせた五十鈴屋。順調に商いが進んでゆくと思われた先の大火事。昔の家は木と紙。燃えにくい漆喰が推奨されていたが普及はまだまだ。橋は木。橋が燃え逃げ場を失った人達の阿鼻叫喚は想像を絶する。しかしここまで来ると、不幸が押し寄せ続けるのも飽きてしまった。そこを立ち上がる所が素晴らしいのだろうが。一年に一度買いに訪れる夫婦の夫が勧進相撲の旗本だとは。長年の正直な商いが実を結び、新たな発展を得る。妹・結は地に落ちたな。最終巻では結とはどういう結末になるのか?そこは楽しみだ。お梅どんのお嫁入りから始まる本巻は嬉しいことが多くワクワクしながら読めました。芝居に相撲というエピソードも活気のあるものでした。また横槍が入るのではないかと最後まで気が抜けませんでしたが、幸の尊い志で深まる太物仲間たちの絆とそこから見えた希望の光に五鈴屋の悲願が叶う日が近いのでは!そんな期待で涙しつつ読み終われました。次の巻も楽しみです!シリーズ第11弾。江戸時代の風俗も楽しみながら、仕事に邁進する幸たちを応援する。真っ当に生きてたら神仏は見捨てないと言う真っ直ぐな気持ちが、眩しい。現実的ではないという考えもあるだろうが、浮世は辛いからこそ小説では上手くいってほしいと思う。今回のトピックは勧進相撲。江戸時代は女性が相撲を見ることも出来なかったのは初めて知った。神事だから伝統だからと、女性知事を土俵に上げなかったり、ちびっ子相撲で女の子を土俵に上げなかったりと差別的なところは今も変わりません。(相撲好きな方、ごめんなさい。)浅草太物仲間のお店に惜しみなく技術と知恵をわける幸。太っ腹すぎる気もしますが、結果的には客を分け合い、利益を分け合い、地域として発展していきます。火事の後の火の用心の柄、力士の名前を浴衣に入れるというアイディア、図案を考える賢輔さんもすごいな。原材料の産地や職人さんの地位向上の大切さ、現代の仕事にも通じる理念だと感じるけど、余裕がないとなかなか難しいだろうな。菊栄さんのかんざしもめどが立ちそうでよかった。お梅どんも幸せそう。幸も幸せになってほしい。時代小説を読むと火事が如何に恐ろしい災害だったかが伝わる。幸の生きた時代にも…復興が進んで街並みは移り変わっても、変わらないものは幸たちの商いへの姿勢。私腹を肥やすことではなく、人から求められ永く愛されるものを作り出すこと。一丸となり邁進する五鈴屋の在り方に、同じ働く人間として背筋が伸びる思いです。結の様変わりには切ないものも感じつつ、年に一度のお得意様(力士OBだったとは!)のように、一人、また一人と、得難い人の繋がりがまるで滑らかに広がる鈴の柄の風呂敷のようで、爽快な読後感。次巻も楽しみです今回は太物仲間と協力して、力士たちの浴衣を作って売り出す。五鈴屋の知恵を惜しみなく提供する幸は素晴らしい。そうそうお梅も所帯をもった。テレビもインターネットもない時代、どうやって情報を伝えるのかと思ったが、街中を練り歩いて相撲の初日を知らせるのね。あとは口伝で。なるほど。浴衣を長く続く商品にするため、仲間たちと協力して取り組む巻。利を自分だけでなく、分け与えることで、より大きな利益が返ってくる。理屈は分かるけど、なかなかできることではないよなぁ。そして、江戸は本当に火事が多い。羽州ぼろ組も並行して読んでいるので、江戸の暮らしが見えてきて楽しい。相撲もとても人気のある庶民の娯楽だったんだろうな。江戸の五鈴屋、創業8〜9年目の話。相変わらず商売敵の音羽屋や大火事に振り回され、危機が続く五鈴屋だが、抜群の安定感を持って切り抜ける。もはや、読者が焦ることもない。 この巻では、浴衣を相撲興行で着てもらうため、幸たちが浅草の太物仲間と手を取り合って躍進する。浅草太物仲間は、大阪や江戸で酷く苦しめられた呉服仲間と違い、本当に懐の深い人たちだ。太物仲間の提案で、江戸の近くの綿の産地に投資する話、五鈴屋が呉服を再び扱えるようにする話が持ち上がり、次巻以降ますます話が盛り上がるか!?こにきて大火が広がるとは思わなかった。当時の火事は今と違って、少しのところから大きく広がっていくんだと改めて思わされた。この火事を経験しながらも、今自分たちには何ができるかを考えて動く幸の姿勢が立派だと感じた。物語に出てきた力士たちの浴衣は今もあるのかと気になったし、現代のスポーツのユニフォーム販売みたいなのも思い起こされた。物語のラストはいよいよ呉服が始められるということかな?次回への期待が高まった。

夜のピクニック。昔ながらのThe高校生の日常という感じだった。 父の不倫によって同級生に血の繋がった兄妹が居るため2人の仲は気まずく

作家さん初読み。第2回本屋大賞ですか。読み易く一気読みでした。携帯もスマホもない時代に大人になった世代としては、懐かしい青春時代を思い出し、、とは思うけど、そうじゃない世代の人たちにはどう映るんだろう?NTTは自宅が勤務地と言い、ググればSNSで生い立ちとかわかり、アメリカだろうが歩行祭にリモート参加出来る世の中。夜通し歩くイベントはあれど、コミュニケーションレベルは全く違うよな。と。 最近、ちょくちょく一昔前の名作を読むと、そんなことを思ってしまう。世代によって伝わり方は違うのは当たり前だけど。。最高に良かった。それしか出てこない。夜を歩く高校生達のお話し。ただそれだけなのに、こんなにもドラマチックに感じるのは何故なのか。登場人物が皆んな魅力的で、その内面を丁寧に心地よく描写してくれてるおかげなのだろう。疲労感と特別感がもたらす本音であったり内面であったりの嘘の無い素の姿が途轍もなく魅力的に見える。人それぞれ考えがあって、やっぱり話しをしなければ分かり合えない繋がれないのだと、でも話してみれば意外と構えてた程の事は無いのだと、そう教えてくれた気がする。当たり前が一番素晴らしいのかもね、知らんけど。読み始めは青春の爽やかな少年少女のお話なのかなと思ったけど、彼らの身に起きていることは爽やかでも何でもなく大人びていて、考え方もしっかりしていて、自分が高校3年生のときはこんなにしっかり物事と向き合うことができていたのかな?と思いました。 歩行祭という行事を通してそれぞれの抱える問題に向き合う姿が、本人たちは大変だったと思うけど、キラキラしていてとてもいいなと思いました。 高校3年生という、子供と大人の間の期間しか抱けないような貴重な特別な感情が描かれていて、すごいなぁと思いました。読めてよかった。歩行祭という奇天烈な学校行事で繰り広げられる高校生たちの人間ドラマを描いた青春小説。途中2時間の睡眠はあるものの、24時間歩きっぱなしって、相当過酷な行事だなと思う。今は体罰だなんだとうるさい時代だからこんな行事がある学校はないと思うが、実際やったら面白そうだなとも思った。内堀亮子が「高校時代の恋人」というアルバムの写真を残すために付き合おうとすることに嫌悪感を抱く西脇融の感情には共感を覚えた。自分も、もしそういう思い出作りとか何だかの打算的な意図だけで人付き合いをするような人がいたらなんか嫌だなと思う。長編よろしく、著書は長い道のりを読者も連れて歩いていく。ノスタルジックな時代へ思いは飛び、懐かしい顔が浮かんでくる。果たして、自分達はこんなに大人びていただろうか。その、友を思いやる登場人物達に、気持ちの良さを感じる。だから結末はハッピーであって欲しいと、佳境に入って行くと願わずにはいられない。そして期待を裏切らない幸福感をくれる。「歩行祭」という学校行事だからこそ語られる事、友達と過ごすこの時間は、きっとこれからの彼らの人生を支えてくれるのだろう。羨ましさと共に、この著書が秀作であることを確認する。高校生がひたすら歩くだけなのにとても面白く、読破後には温かい気持ちになる本だった。普段夜まで一緒にいることのない高校の友人と一緒に過ごした夜というのは特別感と高揚感があるのはすごく共感できる。途中の話題で高校の間、特に受験期に恋人を作ることについてを思い出作り、記念品と表現してたが僕も無理して思い出を作ろうとしていた節があったので心が傷んだ。高校生の内に読んでおきたかった高校生活最後の歩行祭。その歩行祭で異母兄弟の貴子と融の心の成長を描く青春本。 とっても青春していて羨ましいくらいだった。周りの友人達もみな大人びていて良い子たちばかり。淡々と話が進んでいき、とても読みやすい。読後はとても爽やかな気分になれる本。 唯一、貴子の母親の行動はちょっとどうかな?と思う。相手の子の立場もあるのだから友人に秘密を打ち明けることはすべきではないと思う。葬式にものこのこいってるし、貴子の母はこの本を読んだだけだととても非常識で自分勝手な人だと思った。タイトルをみて、あらすじを確認せずに購入した。実際読んでみてこういう時代は、かけがえのないものだと年をとって改めて感じている。夜通し歩き続ける行事が高校時代にあったら嫌だったと思うけど、こういう行事の方が修学旅行とかよりも記憶に残るというのは確かだと思う。きつくて大変だったとしても、なにか達成感がある出来事の方が想い出として色濃く残っている。この行事はまさにそうだろうなと思う。貴子と融の距離もこの行事がなかったら一生近づかなかっただろう。物語のテンポがよくて一気に読むことが出来た。この著者は初めて。面白くて一気に読み。歩行祭か〜。私は普通に修学旅行でしたが、実際に歩行祭がある学校ってあるんですかね?たしかに細かにスケジューリングされた修学旅行とは違い、みんなで一つの目標に向かって団体行動することでクラスメイトや親友と一体感が生まれたり、体を酷使する極限状態で自分自身を見つめ直したり、多感な高校生時代にこういうイベントがあるのもいいですね。私自身も彼らと歩行祭に参加し融と貴子を見守っているような気持ちでした。それにしてもスタンフォードの杏奈ちゃん恐るべし笑貴子と融の視点を交互に行き来しながら、歩行祭は進んでいく。街って、死って、人生ってなんだろうと歩きながらぼんやり考えるなんてモラトリアム感満載。ただ(本当に個人的な感想としては)貴子の設定に少し引っ掛かりを感じたりして……、学生時代に読んでいればまた違った感想を持ったかもしれない。な、ながい…。蜜蜂と遠雷と同じ感想だが、歩行祭という一つのイベントでこれだけのボリュームを書けるなんてすごいと思う。ただ、蜜蜂と遠雷と異なり、終盤まではなかなか読むペースが上がらなかった。というのも、物語の核はほぼ一つ、異母兄弟である2人が気まずさを持っているというもののみで、他の部分は本当にとりとめもないことのように感じたからだ。2人が打ち解ける場面には少しうるっと来たが、もういくつか核となるものがあっても良かったのではないかと感じた。カラッとした爽やかな青春小説。学校行事でくたくたなのに特別な夜の空気が懐かしい!心の動きと重なる風景描写、特に夜明けが印象的だった。読むのは二冊目の作家さんだけど、他も読んでみたいな。主人公は、同じクラスの高三の男女。異母兄弟である二人は、お互いを強烈に意識をしているが、口をきいたことが無い。 高校生活最後のイベント、夜八時にスタートして夜通し歩いて朝ゴールする歩行祭。歩きながら二人は距離を縮める。 最初は登場人物がちょっと多くで誰が誰だかってなってしまったけれど、おもしろくて一気に読めた。 特別な出来事が起きるわけではなく、ただただ高校生が歩いているだけ。私が高校生の頃にも、30キロくらい歩く、強歩大会という似たようなイベントがあったので、その時のことを懐かしく思い出しながら読めた。高校生たちが80kmを歩く「歩行祭」という行事が舞台。 主人公の融と貴子は異母きょうだいで、父親の不倫で生まれた同級生である複雑な関係。 だからこそ、お互いが相手を想うあまり、 (近くなりたいけど、でも今じゃない。きっとあの人は私を嫌っている。) と色んな感情が絡まり捻じれ、距離を広げざる得なかった。 それが、「歩行祭」で感情も言葉も全てが真っ裸になった状況を機に、本当に少しずつ二人の心が開放されていく。 風景描写も相まって、二人の心情変化が本当に気持ち良く、非常に爽やかな読了感が味わえました。夜通し歩く歩行祭。距離は40kmほどだが私が高校の時にもあった笑 読みながら疲労の感覚が鮮明に思い出されて自分の経験と合わさって懐かしかった。物語としては、ただ歩くだけの1日の中に、異父兄弟の2人の成長や、個性がはっきりしていて魅力的な友達との関係、恋愛等の青春があり、何か大きな事件が起きるわけでもないのに面白かった。冒頭の晴れた日は当たり前ではないという下りから、貴子が融が忍のような存在などを当たり前に思っているのではないか、という部分が、自分も周りの環境を当たり前と思っているなーと感じて反省した。