なぜ日本のメディアではなく海外のメディアを頼って声明を発表したのか日本のメディア関係者は考えて欲しい

なぜ人類1%の豪華な生活を下支えするために99%が働かねばならぬのか。YouTubeに話題の経済学者トマ・ピケティ氏の講義動画(Eテレ『白熱教室』)が上がっている。ピケティ氏は15年以上の歳月を費やし、世界各国の過去300年分の税務統計を徹底分析した。その結果、従来の経済学の定説「経済発展の結果、格差は減少する」が間違いであることを“発見”し、1%が99%から収益を奪っている構造を明らかにした。削除される前に是非。 ピケティ氏の結論:現在の経済システム&税制では「永遠に格差が広がり続ける」。なぜなら、労働の賃金の上昇率が1%とした場合に、株や不動産等の投資で得られる利益率は5%もあるからだ。どんなに労働者がコツコツ働いても、財産のある富裕層がさらに金持ちになり、格差拡大は止まらない。この格差是正を解決するために、一国だけで富裕層に増税すると、富裕層は税金の低い国に資産を移す。それを防ぐ為にも、富裕層への「世界同時的な資産課税強化」が必要。1人の人間に1兆円を持たせるよりも100万人に100万円を持たせる方が明らかに経済は回る。 日本国内の格差は米国ほど酷くないが、欧州より悪い。日本でも上位10%の富裕層の所得は、国民所得全体の30~40%まで広がっている。低成長でも上位の所得が増えているという事は、裏を返せば、実質的に購買力を減らしている人がいるという事。消費税のような低所得者への課税を弱め、富裕層の資産課税を強めるべき--というものだ。 ピケティ氏は、格差の少ないユートピアを目指しながらも、私有財産や資本主義システムを肯定しているので共産主義ではない。モラルの話だ。これなら1%の超富裕層以外は幅広く受け入れられる。額に汗して働いて得た収入に対する所得税率が最高40%もあるのに、株式譲渡益は最高でも20%というのはおかしい。 「世界同時的な資産課税強化」となると国連主導が想定される。むしろ、これを実現させてこその国連だろう。報道によると、貧困や不平等への怒りからテロリストに志願する若者も多いと聞く。そういう動機を断つためにも、皆が納得できる、理不尽ではない富の再分配が必要だ。ピケティ氏、よくぞ世界にこのタイミングで現れてくれた。まさに庶民99%の希望。「過去に目を閉ざす者は現在に対しても盲目となる」。1月31日、戦争責任の直視を促した元ドイツ大統領リヒャルト・フォン・ワイツゼッカー氏が他界。享年94歳。氏はドイツ国民にユダヤ人迫害の歴史と向き合うよう求め、1985年5月、ドイツ敗戦40周年の連邦議会演説「荒れ野の四十年」の中で、「過去に目を閉ざす者は現在に対しても盲目となる」と訴えた。氏は「ドイツの良心」と評され、1994年の退任後も欧州委員会から「三賢人」の一人に任命され、欧州連合(EU)の機構改革を提言するなど活躍した。哀悼の意を表します。 ブログなどで「ドイツ人は戦争責任をナチス党に押しつけて、自分たちはしらんぷり」と書かれているけど、超違和感。海外のニュースを見ると、多くのドイツ人は「ナチス党を選んだ責任がドイツ国民にはある」と考えているし、昨年、僕が知人のドイツ人(30歳)に「ドイツの愛国心教育ってどうなってるの?」と尋ねたら、「ドイツ人は自分たちの愛国心を警戒している。もちろん、サッカーはドイツを応援するし、郷土は大切だけど、世界に迷惑をかけたことを今も恥じている。学校の授業で加害の事実を学んでいる。その意味で愛国心を抑えているし、ポジティブな意味で“愛国心はない”と言える人も多いと思う。実際、自分がそうだし」と語っていた。彼に自虐的という印象はなく、他国と交流しながらドイツをより良く発展させていこうとするための“基本姿勢”に感じられた。残業はなく夏に大型のバカンスがあり、しかも経済優等生のドイツ国民。日本の保守論客がいう「過去の歴史に誇りが持てないから日本に元気がない」というのは、僕が出会ってきたドイツ人を見る限り的外れだ。YouTubeにて後藤さんのラジオ出演時(4カ月前)の音声がアップされている。「イスラム教徒は各国で虐げられてきた」。これほど中東へ心をよせ、イスラムに理解を示していた後藤さんを殺害するなんて、本当にISILは酷い。(ラジオ後半)大竹まこと「この日本は今まで好意的だった人にどう思われていくのでしょうか」後藤さん「日本がアメリカの空爆を支持したり、安倍さんが国連の演説で具体的にいえば、日本も同盟国と見られて海外にいる日本人はテロや誘拐に気をつけなきゃいけなくなる」。 本日午前、さっそく安倍氏が国会にて、“集団的自衛権を行使する際に地理的制約を設ける必要はない”との認識を表明。昨年の閣議決定では、尖閣諸島北朝鮮の有事を想定して国民に説明していたのに、「地理的にどこだからそれが当てはまらない、近くだから当てはまるということではない」=“全世界どこでも自衛隊は戦える”に変化。後藤さんは、アメリカや有志連合を支援することを望んでいなかった。これが政治利用でなくてなんなのか。 後藤さんの妻がロンドンのジャーナリスト支援機関を通じて声明。「大きな喪失を感じていますが、イラクソマリア、シリアなどの紛争地域で、人々の窮状を伝えてきた夫を誇りに思います。子どもたちを通して戦争の悲劇を伝えることに情熱をもやしていました」。なぜ日本のメディアではなく、海外のメディアを頼って声明を発表したのか、日本のメディア関係者は考えて欲しい。今朝のNHK日曜討論』を見てぶっ飛んだ。安倍氏集団的自衛権について問われた際、「(今回の人質事件のように)海外で邦人が危害に遭った時に、自衛隊が救出できるための法整備をしっかりしたい」と訴えた。なんだそりゃ。自国民が攻撃されたときに反撃するのは個別的自衛権集団的自衛権とは、日本が“攻撃されてないけどやりかえす”ことだ。人質事件とはまったく別個のもの、何一つかすりもしない。完全に論点がズレている。湯浅さんの死に対して“国民を救えなかった”ことを首相として詫びることもなく、この事件で国民に動揺が広がる中、一気に海外派兵の法制化を進めんとする安倍氏。これこそ政治利用以外の何物でもない。安倍首相は「テロとの戦い」をことさら強調し、フランスのテロ事件を「ツイている」と喜びながら、米国のケリー国務長官をはじめ、英、独の首相はじめ40か国以上の首脳が集まった追悼式典(1月13日)には無視を決め込んだ。日程的余裕があったにもかかわらず、山梨の別荘で休暇を過ごしながら祖父と父の墓参りで「衆院選勝利」を報告し、式典に駐仏大使を出席させただけだった。フランスで起きたテロは外交パフォーマンスに都合のいい対岸の火事と捉え、まさか日本が標的になるという洞察も備えもなかったことがわかる。