もう今回のように「急で準備が間に合わなかった」は言い訳にならない本当に残念な結果となった。

NHK大河『花燃ゆ』第一話、僕は面白かった。次回から本格的に青春群像劇が始まるので、毎週日曜が楽しみに。これまで薩摩視点の幕末は『翔ぶが如く』『篤姫』などで見てきたけど、長州視点というのは新鮮だし(大村益次郎が主人公の『花神』は10歳で記憶にない)、高杉晋作の少年時代を大河で見たのは初めて。第一話に出てきた吉田寅次郎(松陰)の、“本”の素晴らしさを語るセリフが、当サイトに何度も書いてきたことと重なり胸熱に。 →「本は文字ではない。本は人じゃ。開けば触れることが出来る、他の人の考えに。江戸におる人にも、外国におる人にも、とうの昔に亡(の)うなった人にも出会うことが出来る。同じく悩んで、同じく答えを見つけようとした誰かがおって、教えてくれる。その人の目で見た世の中の…人生のあらゆることを教えてくれる。生きるに迷うとるんは、自分一人じゃないことを。お陰で兄は天命を受け入れることが出来た。人と出会(お)うて兄は変われたんじゃ」。『ゼロ・グラビティ』のサントラを、夜間に車を運転しながら聞いてたら、クライマックスとラストシーンの音楽が神曲すぎて涙腺決壊。どの楽器より人間の声が泣ける。 言動に注目している内田樹(たつる)教授が、これからの日本について「長期にわたって後退戦を戦うことになる」と暗い展望。そして文化的な意味も含んだ“山河”を後世に残さねばならないと警鐘。文中にあった劇作家・平田オリザさんの言葉「日本は滅びつつあるが、今回の滅びに関しては、できる限り他国に迷惑をかけずに滅んで欲しい」「少しでも豊かな後退戦になるように祈るばかりです」。僕は目覚めた民衆が後退戦から早期に抜け出し、逆転できると信じているんだけどなぁ。野党協力なら劇的に状況好転 年末の衆院選の結果は衝撃的だった。安倍政権の勝利が残念というより、野党トップ連中の視野の狭さ、化石思考がショックだった。野党が協力すれば勝てた選挙区がたくさんあったのに、みすみす自民の勝利を許してしまった! 大手メディアは安倍政権に気を遣ってか、「民主と共産が協力してたら合計票が自民を上回っていた選挙区」がどれくらいあったか伝えないので、ならばと自分で計算してみた。その結果、あまりの多さに絶句した。民主党が政権を奪取した09年衆院選では、共産党が候補者を約半数の152選挙区に絞ったことで、民主党の勝利を後押しした。今回もよく話し合って作戦を練るべきだった。ちなみに、民主と維新は候補者がぶつからぬよう話し合っていたけど、調整失敗で2人立ったところは6カ所で合計票が上回っていながら共倒れしているこれも惜しい。 民主と共産のバッティングは実に深刻だ。共産支持者は「安易に他党と妥協しない我が党の正しさは、今回の大躍進(8→21議席)で証明された」と主張するだろう。だが、共産支持者は自分たちがいくつの選挙区で「自民をアシストして勝たせた」か、きちんと計算していないのでは?44カ所と分かれば、自公3分の2を阻止できたと知れば、うかれることなど出来ないはず。おそらく共産支持者は「共産候補がいなければ、民主が勝っていたのは10カ所程度」と考えているのでは。だから安倍政権を倒せなくても共産が躍進したから良いって思っているんじゃないだろうか。 前述したように維新と民主の合計票が自民よりも多かった選挙区は『6カ所』あり調整失敗が悔やまれるが、維新と共産に関しても合計票が自民より多かった選挙区が『15カ所』ある。共産と維新は犬猿の仲だけど、幕末、骨髄まで憎み合ってた薩長が倒幕のため同盟を結んだように、対自民を旗印に民主・維新・共産・社民・生活で候補者を調整できたなら投票状況はさらに変化し、合計票が自民を上回る選挙区が『5カ所』増える。その結果、6+15+5で『26カ所』になり、先述した44カ所と合わせてトータル『70カ所』にも達し、現状の小選挙区「自公232 VS 野党63」が「162 VS 133」まで接近していた。ここまでくれば与野党逆転まであと少し。僅差で負けた選挙区を考察してみよう。 選挙で敗北したものの、民主・共産の合計票が、自民候補に数百~数千票まで肉薄した小選挙区は『27カ所』あった。数千票の差なら共闘していれば逆転可能だ(対立して足を引っ張り合っている状態が共闘に変わると、勢いが生まれる)。そうなれば70カ所プラス27カ所で『97カ所』もの小選挙区で勝者が入れ替わり、「自公135 VS 野党160」となって大逆転!この両陣営の差は、比例区の当選者(自公94、野党86)を反映しても、「自公229 VS 野党246」となり野党優位は変わらない。比例区小選挙区より死票が少ない分、有権者の動向を正確に反映する。共産党21人議席のうち20議席比例区のものであり、そこだけを見れば日本人にリベラルが増えたように見える。確かに比例区の共産票は前回衆院選369万票から606万票に237万票も増えている。だがしかし!その一方で小沢党は342万票(未来の党)から103万票(生活の党)に239万票減らしている。つまり、共産の増加分237万票=小沢党の減少分239万票であることは歴然(2万票の差は史上最低の投票率を反映)。だから、共産支持者が「この勢いで頑張れば次も躍進できる」と考えるのは、選挙結果を楽観視しすぎ。残念きわまりないことだけど、共産・社民・生活のリベラル3党の比例得票数の合計は、前回853万票→今回841万票と全然増えていない。共産支持者はハリポテの数字で喜んでいる場合じゃない。これが日本国のリベラル有権者の実数であり、これ以上は容易に増えない。その事実を踏まえた戦い方をするべきだ。 共産党に独自カラーや誇りを捨ててまで民主に同化せよと言ってるんじゃない。共産は当選者21人のうち6人が女性で、政党の中では女性当選者の比率が最も高いのも先進的。僕は民主の野田、前原など幹部連中が大嫌いだし、新自由主義(弱肉強食)の維新にも否定的。それでも、書いてて本当に空しくなるんだけど、安倍政権を倒すためには民主・維新と共闘するしかない(維新から少なくとも石原ら極右連中は出て行った)。共産支持者に認識して欲しい。今回の衆院選小選挙区では、共産支持者が民主党候補を45人、維新候補を15人、計60人を落選させ自公候補を助けたことを!安倍政権存続の最大の功労者となった共産党に対し、安倍氏と山口代表は「ありがとう!」と感謝状を贈っていいほどだ。 自公はいつまでも共産に「正しいのは我が党」と唯我独尊路線をとって、野党が共倒れして欲しいと願っている。民主と選挙協力することは、民主に吸収されることじゃない。公明を例に考えて欲しい。公明はどんなに自民と蜜月になっても合体することはない。それでいて上手に選挙協力して多くの議席を獲得している。共産と民主も自公がやっているように、「小選挙区は民主、比例は共産へ」と協力していれば、大きな変化を起こせる。公明は自民に協力しつつも独立している。共産だって自立しながら協力できるはずだ(民主党議員は2009年衆院選で共産が協力してくれた恩を忘れずに!)。 最後に。消費増税GDPマイナス成長、集団的自衛権特定秘密保護法原発再稼働、TPP加盟、移民受入れ、派遣法改悪、残業代ゼロ、解雇規制緩和、カジノ推進、配偶者控除廃止、庶民の実質賃金15カ月連続下落、中国密漁船に赤サンゴを取り尽くされた後で対策本腰など、内政も外交も酷い有様なのに、リベラル同士が対立している場合じゃない。もはや、待ったなしの状況だ。次の参院選は来年7月。もう今回のように「急で準備が間に合わなかった」は言い訳にならない。安倍氏から日本を取り戻すため、知る権利や民主主義を守るため、万全の体勢で挑んで欲しい!衆院選、自民より“右”は壊滅 昨日の衆院選は、安倍内閣を退陣に追い込むことができず、本当に残念な結果となった。これまで何度も反秘密保護法、脱原発憲法解釈を首相が勝手に変更した集団的自衛権容認反対を訴えてきた僕としては、激しく落胆する結果となった。でも、失意の中にも一筋の光はあった。侵略戦争を美化し、戦前回帰の発言を繰り返していた極右政党『次世代の党』所属議員が、20名から2名に激減し壊滅したことだ。