イギリスや豪州、メキシコのように食品は無税にするなど、生活必需品は大幅な軽減税率を目指してくれるのかと期待していたら

アメリカ出身の著名投資家ジム・ロジャーズ氏(72)は、歯に衣着せぬ物言いで知られている。氏は一貫してアベノミクスに警鐘を鳴らしており「投資家としては安倍氏に感謝しているが日本人が心配」と、数度にわたってインタビューで語っている。以下、近年の代表的インタビューを紹介。力作『キャプテン・フィリップス』DVD鑑賞 トム・ハンクスが人質にされる米国人船長を熱演。アフリカ近海を舞台に現代の海賊襲撃を描いた実話。実際にその場にいるような緊迫感はポール・グリーングラス監督の職人芸。本作は貨物船やタンカーを襲う海賊を一方的な悪として描くのではなく、彼らは元々豊かなソマリア海域の漁民であったのに、先進国の漁業船団がやってきて漁場を荒らされ、貧困から海賊化することをきちんと描写していた。海賊達はみんなやせ細ってガリガリで、逆に貨物船の米国人達は立派な体格をしている。海賊には裸足の者さえいた。襲撃を受けた船長のトム・ハンクスが、「漁師がダメなら他の仕事をすればいい」と言った際、「アメリカなら可能だが、ここでは無理だ」と答えたのが心に突き刺さった。後半のトムの嗚咽は演技に見えず、名優と呼ばれるだけある。88点。「何が秘密事項に決定されたのか秘密」「秘密指定から30年以下の文書は首相判断で廃棄可能(証拠隠滅)」「チェック機関は政府内にあり身内が身内をチェック」「情報を不当に隠した政治家や官僚を処罰する規定なし」「秘密指定の是非を国民が判断できるのは60年先」「不当な秘密指定を暴く内部告発であったとしても、秘密そのものを伝えた内部告発者は逮捕」…ついに明日、「21世紀の民主国家が考えたなかで最悪の部類に入る法律」(米元政府高官M・ハルペリン/オープン・ソサイエティ財団上級顧問)と批判された特定秘密保護法が施行される。 安倍氏は先日の『NEWS 23』で「(秘密保護法によって)もし言論の自由が妨げられるなら私は首相を辞めます」と言ってたが、これは安倍氏の辞任で帳消しになるレベルの話ではない。コロコロ変わる総理の首と、「近代民主国家の一丁目一番地」である、「国民の言論の自由」が同じ重さとでも思っているのか。首相辞任と引き換えに許されていい問題じゃない。同法が秘密対象にしているものは「国民の生命及び身体の保護」「自衛隊の訓練」など抽象的な書きぶりで、何を指しているかが曖昧。解釈の仕方でなんだって秘密になる。政府は「報道・取材の自由、国民の知る権利に十分に配慮する」としているが、新聞記者が情報を漏らすように働きかけると懲役5年の罰則があり、取材する側も、される側の公務員も、罰を恐れて国民に情報が届けられなくなる。 米国では市民が直接に政府機関に秘密解除請求できるが、日本では市民に秘密解除の請求権がない。政府が新たに作った「内閣保全監視委員会」「独立公文書管理監」「情報保全監察室」は、どれも強制力がなかったり、政府から完全に独立しておらず、身内が身内を調べる甘いシステムになっている。 結局、強行可決から一年経っても問題が山積したままの法律であり、11/14に共産、社民、無所属の山本太郎糸数慶子議員(沖縄)が秘密保護法「廃止法案」を提出し、11/18に民主と維新が共同で秘密保護法「施行延期法案」を提出した(いずれも衆院解散で廃案)。冒頭にも書いたけど、首相が勝手に機密書類を廃棄可能という条文は悪夢そのもの。情報公開を重視する欧米ではありえない。これでは後世の国民が政府の行動の是非を判断しようとしても、歴史検証が不可能になる。都合の悪い秘密は後世の審判を受けることなく葬り去られる。なんでこんな中世のような悪法が現代日本で施行され、国民はノホホンと受け入れているのか。 今後、集団的自衛権の行使で自衛隊が海外に出て行くことになっても、根拠となった情報が特定秘密に指定され、国会に開示されない可能性が大きい。政府内の議論の過程が秘密保護法の対象になるため、国民は政府の判断(海外派兵)が正しいのかどうか判断できない。日本の針路を定める決断に際し、誰がどのような情報をもとに決定したのか、国民は過程を知ることなく政策が決まってしまう。 善意の内部通報者を保護する条項がないのも大問題。内部通報者は“これは違法な秘密指定だ”と思った情報をそのまま内部通報窓口に伝えられるわけではない。概要(大筋)を通報しなくてはならない。要約に失敗した場合、過失の漏洩罪刑罰が与えられる。告発者は懲役10年以下の刑罰にとわれるのに、こんな危ない橋を渡って誰が内部通報するというのか。初代『ゴジラ』の主役宝田明さん吠える 俳優の宝田明さん(80)が12/3にNHKの生放送で反戦メッセージを語り、NHKのアナウンサーが狼狽する場面があったとのこと。記事によると、NHK『ゆうどき』に生出演した宝田さんは、終戦の際に大陸から命がけで帰国。その体験を踏まえ「人間の起こす最も大きな罪は戦争」「戦争を起こしてはいけないというメッセージを発信し続けたい」と戦争反対を主張。「無辜の民が無残に殺されることがあってはいけない。間違った選択をしないよう、国民は選挙を通じて、そうでない方向の人を選ぶ(べき)…」と訴えた。この発言に慌てたNHK山本哲也アナウンサーは「各自、それぞれが思うことがあるでしょう。いろいろな考え方もありますから…」と遮ったという。 宝田さんは何も変なことを言っていない。戦争にならぬよう有権者は選挙で正しい選択をしようと当たり前のことを主張しただけ。この「正論」にどうして“各自いろんな考え方があるから”と打ち消すようなツッコミが入るのか。元NHK政治部記者の川崎泰資氏いわく「悲しいことだが、安倍政権のメディア介入の“効果”が表れているのでしょう。局内で政権批判自粛のムードが蔓延しているのだと思う。例えば、沖縄の仲井真知事が退任直前に辺野古の工法変更を承認したニュースの扱いを見てもそう思います。本来は民意を裏切る行為であり、トップニュースで扱うべきなのにNHKはマトモに取り上げていない。由々しき事態です」。海外では芸能人もどんどん政治的な発言をするけど、日本の業界人は“長い物には巻かれろ”の精神がこびり付いているのか、安倍政権が憲法や民主主義を軽視しても抗議の声をほとんどあげない。心の中で宮崎監督や元役者仲間・山本太郎脱原発発言、反秘密保護法に共鳴していても、それをブログやツイッターで拡散するといった具体的行動は起こさない。揉め事になることを極度に恐れている。言い方を変えれば、それほどまでに事務所(芸能プロ)による圧力=言論封じが強烈なのかもしれない。こうした業界体質を、東電原発事故と安倍政権はあぶり出した。選挙演説でも、選挙ポスターでも、公明党山口那津男代表は「公明党なら軽減税率を実現できます!任せて下ださい!」と自信満々の表情で訴えているから、10%の引き上げにあたって、イギリスや豪州、メキシコのように食品は無税にするなど、生活必需品は大幅な軽減税率を目指してくれるのかと期待していたら、現在の「消費税率8%の据え置きが有力」と見通しを示したとのこと。マジなのか。今の不景気は“増税不況”といろんな経済学者が指摘しているし、4月の消費増税が庶民の生活に深刻なダメージを与えていると統計が示している。8%では家計が苦しいままで消費欲は戻らない。“軽減”という言葉を前面に出すのなら、目標を0~5%にして欲しい。8%なら現状のままだ。