学生たちは民主主義を守るために踏ん張っている。今年は春に台湾で学生が理不尽な貿易協定に反対して国会を占拠している。

ノーベル平和賞について。発表前、オスロ国際平和研究所の受賞予測サイトで「憲法9条を保持する日本国民」がトップに躍り出たとのこと。結果的に受賞は逃したけれど、同研究所のハープウィケン所長は「中立や不可侵、平和主義につながる原則を掲げる憲法9条は、軍事的な紛争解決が多用される昨今において重要にもかかわらず、十分に光が当たっていない」とコメント。これは来年以降に受賞があるかも。安倍氏周辺が9条を破壊・骨抜きにする前に、なんとか守らなければ。 /平和賞を受賞したのは、パキスタンの女子学生マララ・ユスフザイさん(17)と、インドの児童労働問題の活動家カイラシュ・サティヤルティさん(60)の2人。17歳のマララさんは、ノーベル賞全部門を通して歴代最年少での受賞。2009年、当時12歳のマララさんは、女子教育を否定するイスラム過激派タリバーンに脅えながら登校する日々をブログに匿名でつづり始め、後に本名を明かした。2012年10月、15歳の時に学校からバスで帰宅中にタリバーンに頭と首を撃たれた。英国の病院で治療を受け奇跡的に回復。受賞が決まったマララさん「これは始まりにすぎない。私はすべての子供たちに学校に行ってほしい」「パキスタンでは、私には黙って殺されるか、発言して殺されるかしか選択肢がなかった。だから私は立ち上がって発言してから殺されようと思った」。“立ち上がって発言してから殺されようと思った”、これを読んだときに、9条改憲を目指す政権の存続を許し、選挙にも行かない日本人と「覚悟」が違うと思い、彼女が平和賞に輝いたことに納得した。もう一人のサティヤルティさんは、インドのボランティア団体を設立し、奴隷状態で不当就労させられている子供たち8万人以上を救出。マララさんとサティヤルティさんは、授賞式に(対立している)パキスタンとインドの首相を招こうというアイデアで一致したといい、素晴らしい計画と思った。御嶽山の噴火、YouTubeを見て背筋が凍った。撮影者はアッという間に噴煙の中。犠牲者の大半は後頭部への噴石直撃。走って逃げ、或いはうつ伏せになっているときに絶命している。どれほど怖かったろう…。子どもの死は特にいたたまれない。行楽日のお昼時というのも酷いタイミング。これだけの大規模噴火、なんとか事前に予測できないものなのか…。慰安婦問題の誤報について朝日が大バッシングされている件。吉田清治氏が済州島で行った調査報告がデマというのは、ずっと前から多くのリベラル派の共通認識であり、吉田報告を論拠に強制連行を批判する人間は、少なくとも僕の周囲には一人もいなかった。当然、僕も当サイトで吉田報告を振りかざして論陣を張ったことは一度もない。朝日は誤報と気付いた点でもっと早く謝罪・訂正すべきだったし、猛省を促したい。 一方、この誤報事件を理由に「強制連行はなかった」と主張するのは、それもまた愚行だし国際社会に通用しない。何度も書いてきたように、“強制連行”の定義が国内と国外で異なるからだ。現代の国際社会の価値観は「強制連行=本人の意志に反した行為を強要されること&自由を願う人間を解放しないこと」であり、安倍氏が考えている「強制連行=無理やり軍のトラックで連れ去られる」ではない。看護婦や給仕、工員の募集を信じて応募した女性が、騙されて軍の慰安所に連れてこられた場合、日本軍は彼女たちを解放する義務があったのだ(女性たちを前線へ移送したのは軍の船や車)。日本政府はその不作為を追及されているのに、“連行した方法”を弁解するのは筋違いであり、国際社会では無反省の態度に映ってしまう。 また、実際に白馬事件というモロに人さらい的な強制連行事件が起きており、同様の事件が他にあったと世界から疑われても仕方なく、日本には他に一件も起きてないと証明することが不可能(いわゆる悪魔の証明)である以上、弁明すればするほど悪印象を与える。日本の名誉を守ると言いながら、現実には日本の印象を貶めるだけの言動を政府は慎んでもらいたい。鳴り物入りで登用された女性閣僚のうち、小渕優子経産相と松島みどり法相が異例のダブル辞任。さらには後任の宮沢経産相がSMバーに“政治資金”を支出。いったいSMバーで国民の血税を使いどんな政治活動を行うというのか。本人が足を運んだかどうかはどうでもいい。問題は政治活動費の支出先として平気で申請する人間を雇い、またそれが許される空気が宮沢氏近辺にあるということだ。税金を“お小遣い”と勘違いしているんじゃないのか?宮沢経産相原発再稼働を判断する立場であると同時に東電の株主。普通は利益誘導の疑いを避けるため、大臣就任前に東電株を手放すと思うが、批判を受けても株をキープしており、そのあたりも感覚が違いすぎる。 個人的に最も絶句したのは、山谷えり子議員が国家公安委員長になったことだ。よりによって山谷えり子議員!同氏を巡っては、カルト宗教の統一教会や、差別主義団体との繋がりが以前から取り沙汰されており、僕も日記で問題視してきた。公安に取り調べられるべき人物が公安のトップになるとは。「原発事故で誰も死んでいない」などデリカシーのない失言を繰り返す高市議員も総務相に重用されており、頭が痛くなる。自民にはまともな議員もたくさんいるのに、どうしてこういう人選になってしまうのか。“おたかさん”の愛称で呼ばれ、旧社会党を長く率いた土井たか子さんが920に死去。享年85。また一人、戦後政治を代表する政治家が逝った。晩年は三権の長である衆院議長を務めた(憲政史上、女性では初)。1989年に社会党参院選で大勝利した際、当時大学生の僕は「山が動いた」という土井氏の声明に感じた高揚感をよく覚えている。その後は、土井氏が拉致問題北朝鮮に言いくるめられていたことが分かったり、新人時代の辻元議員が起訴された遠因となるなど、村山政権以降は失点続きの印象がある。でも、誰だって間違いを犯すし、完璧な人間など存在しない。評価すべき点は評価し、批判すべき点は批判する、政治家に対する評価はそうありたいもの。 それだけに、土井氏の訃報の際に発せられた百田尚樹NHK経営委員のツイッター発言にドン引きした。百田氏は、土井氏の訃報が流れたその日のネットに「(土井氏は)まさしく売国奴だった」と書き込んだ。売国奴拉致事件北朝鮮側の嘘を見抜けなかった点は確かに厳しい批判を受けても仕方がない。しかしだ。普通、故人を非難するにしても、訃報当日は避けるというのが日本人の感覚ではないか。戦時中に「売国奴」という三文字が、どれほど多くの人間から言葉を、自由を奪ったか少しでも考えるなら、言葉を大切にする作家の百田氏なら安易に使えないと思うのだが…どうしてもネットに「売国奴」と書き込まねば我慢できないという、その感覚が僕には理解できない。政治家にとって最大限の罵倒語である「売国奴」を、公共放送の経営委員の百田氏が言う。百田氏は安倍氏に指名されてNHKに送り込まれた人物。バックに安倍氏がいることが万能感を与えているのか。香港で民主化運動を行っている学生たちガンバレ!1997年に香港が英国から中国に返還された際、2047年まで香港において「高度な自治」が保障された(言論の自由、司法の独立含む)。ところが、中国政府は2017年の行政長官選挙では、“指名委員会”が候補者を選別するなど立候補の条件を制限する方針を決定した。当局が選んだ候補者しか認めない=民主派の立候補を封じるシステムであり、そんなものは到底容認できぬと学生たちはデモや座り込みで抵抗している。警官隊は何度か強制排除を試み、既に百人近い逮捕者が出ているけど、学生たちは民主主義を守るために踏ん張っている。今年は春に台湾で学生が理不尽な貿易協定に反対して国会を占拠している。香港も、台湾も、学生たちは政治に対する参加意識が高く、権力者に堂々と立ち向かっている。日本の若者よ、刮目(かつもく)せん!