そして官兵衛役の岡田准一君!信長の訃報を聞いて秀吉に「運が開けました」と言うくだりがめっちゃ野心爆発

平日朝6時からのBS『クラシック倶楽部』を毎日見ていると、今まで知らなかった良い曲、様々な国籍の演奏家に出会え、日々の大きな楽しみになっている。その中で、先日忘れられない2人組ピアニスト「デュオ・アマル」を知った。 デュオ・アマルはイスラエル出身のヤロン・コールベルクとパレスチナ出身のビシャラ・ハロニのピアノ・デュオ。「アマル」はアラビア語で“希望”の意味。2人とも1983年生まれ。エルサレムで出会った2人は同い年ということもあって意気投合し、ヤロンがビシャラを誘う形で、2008年、25歳の時にオスロで初共演が実現。このコンサートが喝采を受け、本格的にデュオを結成し、以降は欧米、アジアなど各地で演奏会を行い、音楽を通じて平和のメッセージを世界に発信している。 文章で短く「デュオを結成」と書くと簡単な出来事に感じるけど、これはとてつもなく勇気がいること。大袈裟じゃなく、真の意味で“命がけ”。ニュースでイスラエル軍のガザ侵攻が伝えられているように、イスラエル人とパレスチナ人は半世紀以上も深刻な対立の中にある。この状況下でデュオを結成すると、「なぜ敵と仲良くするのか」「裏切り者」と互いに自らが属する社会から猛烈なバッシングを受けるし、親兄弟までが「売国奴の家族」と批判に晒され、結果的に彼らは親族から「身内の恥」と糾弾されかねない。とばっちりを恐れて去って行く友人もいるだろう。それでもなぜ2人で活動するのか。ヤロンは番組のインタビューでこう語っていた。 「僕たちはお互いに紛争が絶えない地域の出身です。僕たちはコミュニケーションと音楽を通して、より良い未来と理解、友情が生まれると信じています」。 そして、ある意味、ヤロン以上に勇気ある決断をしたのがビシャラ。現在の紛争の原因は、元々はパレスチナ人が住んでいた地域に、ユダヤ人移民がパレスチナ人を追い出して国家(イスラエル)を作ったことによるもの。衝突が起きれば圧倒的に死傷者が多いのはパレスチナ側だ。イスラエル兵に近親者を殺害された者にとって、ビシャラの行動が許し難く映ってもおかしくない。 ビシャラは“デュオ”にこだわる意味をこう語る。 「デュオには(ソロにはない)お互いとの会話があります。自分だけではなく、常にお互いを聞かなければなりません。一緒にゴールを目指しているのです。音楽の素晴らしいところは言語に関わらず誰とでもコミュニケーションが出来ることです。そして僕たちは2人ともコミュニケーションこそが世界のあらゆる問題を解決する最良の方法だと信じています」。 ※うおお!幸運なことに、僕が視聴したラフマニノフ組曲第1番 第1曲・舟歌』(7分)がYouTubeにアップされていた!これで彼らの音楽を皆さんとも分かち合える。著作権的にはアレだけど、ヤロンとビシャラの勇気を伝えるためにも削除せずに残して欲しい。世界的指揮者のダニエル・バレンボイム氏は、ユダヤ人でありながらパレスチナ側に共感を示し、イスラエル政府を堂々と批判してきた。このことから、イスラエルの保守右翼から大ブーイングを受けている。バレンボイム氏が語った僕の大好きな言葉→ 「問題は、音楽が何かを変えられるかではなく、我々が音楽から何を学ぶかということだ」 “我々が音楽から何を学ぶか”。音楽(芸術)が教えてくれるのは“人間は分かり合える”ということ。言語や風習が違っても、喜びや悲しみという心の動きは共通しており、見知らぬ土地の音楽でも「良いものは良い」と素直に感動できる。言葉の違いが壁にならず、音楽は魂が魂に直接語りかける。人は一番深いところで同じなんだと気付かせてくれる、それが音楽だと思う。アラブ人とユダヤ人のタッグで強く記憶に残っているのは、2008年にBS1(NHK)でオンエアされた『笑いで闘え アメリカ・アラブ系コメディアンの挑戦』に登場した、ニューヨークを拠点に活躍するアラブ系コメディアン、ディーン・オベイダラ氏(父がパレスチナ人)と、ユダヤ系コメディアンのスコット氏。なんと2人は漫才コンビを組んで各地でステージに立っている。ディーンは過激派のテロに反対するアラブ人であり、スコットはイスラエル政府の占領政策に反対しているユダヤ人。その両者が“STAND UP for PEACE(平和の為の漫才)”を掲げて、社会問題や文化の摩擦を“笑い”に昇華していた。観客全員がユダヤ人というステージでディーンがジョークを放つ。「テロ事件前、NYではアラブ系男性がよくモテたんだ。“エキゾチックだ”っていってね。だけど、最近は恋人探しも大変。そこで、僕はユダヤ系の雑誌に恋人募集の広告を出してみたんだ。“危険な恋を求めている女性へ”って書いてね。そして“僕はパレスチナ人。君の領土を占領しちゃうよ”って」。聴衆は大爆笑。 番組の最後、ディーンはこう語っていた「笑いで考えが変わるとは思えないけど、“考えるきっかけ”にはなるかもしれない。アラブ人にも愉快なヤツがいるってことを分かってもらうのが第一歩さ」。これはホントに大事なこと。歴史的に、未知なる相手への恐怖や、異文化への誤解から、深刻な戦いに発展したケースは多々ある。ユーモアの交流は互いに安心感を与えるし、価値観(笑いのツボ)が近いことで歩み寄りの可能性を見出せる。ディーンとスコットの「平和の為の漫才」は、その後を伝える番組がない。彼らの活動の重要性は増しており、ぜひ新たに近況をまとめた番組をオンエアして欲しいな。NHKが大揺れ。7月15日発売の「サンデー毎日」のスクープによると、NHKで『プロフェッショナル』『ファミリーヒストリー』などを手掛ける敏腕プロデューサーK氏が2011年、12年の2年にわたり安倍氏資金管理団体「晋和会」に20万円ずつ、計40万円を献金していたという。K氏は安倍応援団の代表格、評論家・金美齢氏の娘婿。収支報告書には肩書がNHK局員ではなく「会社役員」となっており政治資金規正法の虚偽記載に当たるとのこと。NHK局員としてあるまじき行為。 7月11日発売の「フライデー」にはNHKクローズアップ現代』で集団的自衛権の問題点を指摘した国谷キャスターに対し、放送後、泣き出すまで圧力をかけたとあった(管官房長官は否定しているがフライデー編集部は“記事は真実”と撤回せず)。こうしたNHKの現状に危機感を抱いたNHKの全国の退職者有志=元ディレクター・小中陽太郎さん、小滝一志さん、元アナウンサーの下重暁子さんら、NHK退職者計172人が18日、連名で『籾井会長の辞任勧告』を、会長の任免権があるNHK経営委員会に申し入れた。応じない場合は罷免するよう求めている。申し入れ書では、籾井会長が1月の就任会見で「政府が右というのを左とは言えない」などと発言したことについて「その姿勢は一時的なものではなく、その後も変更されていない」と指摘。「政治的に中立」などの資格要件に反していると訴えている。NHKの現職員は解雇が怖くて上層部に逆らい難いだろうから、こうして退職者有志が団結して戦ってくれるのは心強い。超応援している。防衛相が輸送ヘリ“オスプレイ”を購入して佐賀県に配備しようとしてるけど、このオスプレイ、価格が一機100億円。それを17機アメリカから購入するという。しめて1700億円。財政赤字だから消費税をアップしたはずなんですが。大河ドラマ軍師官兵衛』の視聴率がV字回復とのこと、作品を熱烈プッシュしてきた僕としては本当に嬉しい。本能寺の変は、信長の“仁王立ち・頸動脈かっさばき”と足下から崩れていく姿が、強烈なインパクトを残した(ただ、名セリフ「是非もなし」はもうちょっとタメが欲しかったかも。軽かった)。そして官兵衛役の岡田准一君!信長の訃報を聞いて秀吉に「運が開けました」と言うくだりが、めさめさ野心爆発&ギラギラ目で、過去最高の演技。いろんな時代劇で官兵衛を見てきたけど、岡田君は僕にとって最高峰。至福!