クジラアタマの王様。伊坂幸太郎だから間違いはないという安心感ももちろんあったが、この本をこのタイミングで読んだことに何やら運命めいたものすら感じてしまう

どうしても愛人を作りそうな人には思えなかったので、どこかで種明かしを期待していたけれど、最後までなかったのはちょっと寂しかった。けれども奥さんがああいう人なら、愛人に走っちゃうのも・・なんて思ったりした。ヒジリは個人的には桜井翔君を思い出しながら読みました。病気の名前が違うとはいえ同時代性を感じながら読みました。あと天敵をやっつけさせた後、本性を現すのには「よくあるな」と、メッセージ性を感じました。いい人が報われているのも読後感よし。今回も伊坂氏の真骨頂。夢で勝ったから現実が好転したのか、現実で頑張ったから夢で勝てたのか。最初は突然の挿絵に首を傾げましたが、意味を知ってから読み返すと確かに戦況と現実がリンクしている。後からカチッとピースが当てはまっていく感じ、さすが伊坂先生……!栩木さんがちゃんと報われていて嬉しかったです。夢と現実が片道ではなく相互に影響していて、岸さんはあくまで現実で頑張っているところ(「現実は、僕の触れるこの、今体感しているここだった」)がぐっと来ました。久しぶりの伊坂さん。夢と現実がリンクしている設定のせいかなんなのか、いまいちのめり込めなかった。伊坂作品お得意の伏線回収もあまり心躍らず少し残念。 今の世を予言したかのようなパンデミック描写には驚かされた。いつだって怖いものは「人」、動かすものは「感情」。 これがコロナ前に発表された作品だとは、小説家は未来を予期する能力でもあるのか。 世界の秘密を、知ってるか? 世界の秘密は思っているよりも複雑で、考えるよりも単純な、きっとそんなものだと思う。 人は結局自分が可愛くて、自分の利益にとことん貪欲な、保守的で、時に攻撃的な生き物だ。 自体が好転するにも、暗転するにも、何かしらの理由やきっかけはあるはずだ。それは例えば、あちら側の戦いで勝ったとか、こちら側でトラブルを乗り越えたとか。さあ、立ち向かったのは、誰だ。伊坂らしいと言えばらしい、らしくないと言えばらしくない作品。現実が夢とリンクするという設定で、現実世界では無関係に思われた登場人物たちが繋がっていき物語は進む。大きな伏線はないが、ちっちゃい伏線が散りばめられ、それがさりげなく回収されるのはいつものこと。それにしても本作品の執筆はコロナ禍の前⁉︎作家の想像力というのは恐ろしいなとつくづく思う面白かったです。久しぶりの伊坂作品でしたが途中から万城目さんを読んでる気分に。ふわふわと眠くなったりしましたが終盤から勢いに乗って読了。まぎれもなく伊坂幸太郎さんの世界でした。「胡蝶の夢」的な話が好きな私、今年のベスト入りのお話です。☆2019年の作品、新型インフルエンザの話をこの時期に書かれていたとは…臨場感たっぷりです。先日のインタビューで「集団心理と同調圧力が僕は一番怖い」と伊坂さんは仰っていましたが、本作はまさにそこが全面的に表れているように思いました。得体の知れないウィルスは勿論相当怖いけど、追い詰められた無知な正義の集団も大概だな。〈恐ろしいのは国の利益よりも自分の利益を優先させようとした時〉こういう人たちがSNS等で集団心理を操れる術を持ってたとしたら、と考えたら怖くなった。読んでる時はあんなに面白くて夢中になるのに!ご時世もあって読後にずしっとくる感じです。新潮文庫2022:まさに今読むとリアルタイムで感じる。鳥インフルエンザじゃないけどコロナと同じウィルスで世界…いや日本でもかなり脅威。夢と現実では違うが…夢の中で闘い、勝つと現実では好転する?議員と芸能人とサラリーマンが夢ではグループになって戦う戦士?海外のワクチンや治療薬が今も尚使われているが…日本製はいつ?なかなか承認が下りない事情は、案外小説と同じ部分もあるのかな?夢と現実がリンクするってここまでではないが頭の中で処理しているのが夢に投影しているのかも?ハシビロコウがクジラ頭の王様とこれで知りました久しぶりの伊坂本。なんでしょうね、やっぱり落ち着きます。絵本と小説のハイブリッドも良し。相変わらず大きいことから小さいことまで色んなものが絡み合ってつながっていく感じは快感。読んでる間はずっと不思議な世界にいるようでした。題名もシャレてるじゃあないですか。序盤のクレーム対応は仕事にも役立ちそうです。夢と現実のリンクだからよくある話しだけど・いろんな伏線からの最後の展開までは伊坂ワールドで楽しめた。 パンデミックはまさに今とリンクして、本当に同じ結末ならいいのに思う。 岸さんのキャラ設定、栩木さんや元奥さんのわが道を行くけど助けてくれるところあたりがいい感じ。池野内議員のキャラも現世界なら受け入れ難いがなんか許せて応援したくなる(笑)。 夢の世界での事は漫画なので夢と現実の切り替えが上手く出来、絵も伊坂ワールドに合っていた。 オーデュボンの祈り、夜の国のクーパーあたりに似てるかな~ゲームはしないけど、大きな武器を手にした勇者が怪獣を囲んでいる場面が目に浮かぶ。セリフなしのコミックパートの意味がよくわからなくて、初め読み飛ばしていたけど、重要なことがだんだんわかってきて何度も引っ返した。夢の中で勝利すると現実の方でも物事がうまくいくと主張する議員。納得できない主人公。その中間に立つ俳優。私自身はと言えばホイホイと信じ込んでしまう。伊坂作品だしファンタジー好きだし。コミックパートがあってよかったと思う。挿絵ともイラストとも違う意味がある。夢と現実がリンクし、主人公岸も含め、池野内議員、タレントの小沢ヒジリと共有するストーリー。終盤のインフルエンザのパンデミックやワクチン等はコロナ以前の作品の様だが現在の状況を現している感。