『Cursed Digicam | 呪われたデジカメ』は、Chilla's Artが手掛けた一人称視点のホラーアドベンチャーゲームです。
プレイヤーは、亡くなった娘の霊を成仏させるために、霊媒師が作成した「霊を写せるカメラ」を手にし、15枚の写真を撮影して特定のウェブサイトにアップロードすることを目的とします。物語は、公園から始まり、やがて自宅へと舞台を移しながら、プレイヤーを徐々に深い恐怖の世界へ引き込んでいきます。
本作のプレイ時間は60分〜90分と比較的短く、エンディングは1種類のみ。探索や怪異の撮影を通じて、物語の真相に迫ることができます。
良いところ
1. 没入感のある美麗なグラフィック
本作はUnreal Engine 5で開発されており、公園や自宅のディテールがリアルに描かれています。特に、カメラ越しに見えるVHS風のレトロ画質と、リアルタイムの高解像度グラフィックの対比が、プレイヤーに独特の不安感を与えます。
2. 音響効果と演出の巧みさ
音の演出が非常に秀逸で、環境音や娘の声、怪異の気配がプレイヤーの緊張感を高めます。特に、後半の自宅パートでは、静寂の中に不意に響く音や視覚的な演出が恐怖を倍増させます。
3. 独自のカメラギミック
霊を撮影することで進行するゲームシステムはシンプルでありながら、撮影の瞬間に発生する怪異現象がプレイヤーを驚かせ、探索への緊張感を生み出します。特に、後半のウサギの着ぐるみを着た不審者とのカメラを使った対決は、スリル満点です。
4. 散りばめられた謎解き要素
公園内に隠された数字のヒントや、公衆電話を使ったヒントシステムが、探索の楽しさを引き立てます。謎解きは直感的でありつつも、プレイヤーの注意力を試される仕掛けが魅力です。
残念なところ
1. 前半の公園パートの単調さ
公園の広さに対して、怪異の発生頻度が低く、探索がやや冗長に感じられる部分があります。特に昼間の公園では、緊張感が薄れてしまい、プレイヤーの集中力が途切れる可能性があります。
2. 最適化不足によるパフォーマンス低下
美麗なグラフィックの反面、最適化不足により、一部の場面でフレームレートが大きく低下します。特に、公園の植え込みや自販機付近では、FPSが半減することがあり、没入感が損なわれる場面も。
3. ボリューム不足
クリアまでの時間が1時間前後と短く、価格(約900円)に対してボリューム不足を感じるプレイヤーもいます。エンディングも1種類しかないため、リプレイ性が低いのが惜しい点です。
プレイヤーの評価や感想
ポジティブな意見
多くのプレイヤーからは、Chilla's Artらしい独特のホラー演出や、心理的な恐怖を巧みに引き出す点が高く評価されています。特に、高品質なグラフィックと音響効果が生み出す臨場感は、プレイヤーの没入感を大きく高めています。
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「公園や自宅のリアルな雰囲気が素晴らしい」と、背景デザインやオブジェクトの細部に至るまでの作り込みに感動する声が多く見られます。
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「カメラで霊を撮影する緊張感が良かった」という意見が目立ち、シンプルながらも斬新なゲームシステムが評価されています。
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特に、後半のホラー演出については「背筋が凍るほど怖かった」「終盤の演出は圧巻」と絶賛するプレイヤーが多いです。
ネガティブな意見
一方で、改善点として挙げられる意見も少なくありません。
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「前半の探索が単調で退屈」という意見は多く、公園の広さと怪異の密度のバランスに対する不満が見受けられます。
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「ゲームのボリュームが少ない」という声も多く、短時間でクリアできてしまう点が物足りないという感想があります。
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「パフォーマンスの最適化が不十分」との意見もあり、一部のPC環境ではフレームレートの低下が目立つようです。
総合的な評価
総合的に見ると、『Cursed Digicam | 呪われたデジカメ』はホラーゲーム好きやChilla's Artファンには十分に楽しめる作品であるという意見が多数を占めています。特に、短時間で味わえる濃厚な恐怖体験を求めるプレイヤーにとっては、満足度の高いゲームといえるでしょう。
まとめ
『Cursed Digicam | 呪われたデジカメ』は、Chilla's Artならではの不気味でリアルな世界観と、独特なカメラギミックが融合したホラーアドベンチャーです。美麗なグラフィックと秀逸な音響演出が、プレイヤーを恐怖の世界へと引き込みます。
しかし、前半の単調さや最適化不足、ボリューム不足など、いくつかの改善点も見受けられます。それでも、後半の盛り上がりや緊張感あるゲームプレイは、ホラーゲーム好きには十分に楽しめる内容でしょう。
ホラーゲームが好きな方や、Chilla's Artのファンにはぜひプレイしてほしい作品です。セール時に購入するのもおすすめです。