【レビュー】『ライフ イズ ストレンジ ダブルエクスポージャー』感想。面白い?つまらない?【Life is Strange: Double Exposure】

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2024年10月に発売された『ライフ イズ ストレンジ ダブルエクスポージャーは、シリーズファンにとって待望の新作です。本作では、シリーズ第1作の主人公マックスが再登場し、舞台を大学へ移しています。バーモント州北部の名門校カレドン大学で講師を務める彼女が、親友サフィの死を目撃する場面から物語がスタート。このショッキングな体験が彼女の中に眠る新たな能力を覚醒させ、並行世界を行き来する力を得るのです。彼女は、サフィが死んだ世界と生きている世界を行き来し、事件の真相に迫っていくのですが、二つの世界を通じて「ひとつの真実」にたどり着けるのか──その謎が物語の中核を成しています。

 

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魅力の一つは、シリーズファンが愛してやまないマックスが再び主人公として登場することです。彼女は高校時代の内向的な少女から成長し、少し垢抜けた大人の雰囲気を漂わせつつも、オタク気質は健在。彼女のホラー好きを反映したようなスプラッター的な演出が散見され、ファンにとってはたまらない要素となっています。さらに、本作でもプレイヤーの選択が物語を大きく左右し、マックスの性格や未来を変化させることができるのも魅力の一つです。

 

新たな能力である並行世界移動が生み出す新しいプレイ感覚も魅力的です。サフィが生きている世界と死んでいる世界、それぞれの違いを利用しながら事件の謎に迫る展開は、プレイヤーに推理を求めるミステリー要素を強めています。例えば、一方の世界で得た情報やアイテムをもう一方の世界で活用するといったクロスワールドのプレイ要素が、独特の手応えを生み出しています。また、登場人物たちはそれぞれ異なる個性を持ち、社会問題や差別といったリアルな要素が背景に盛り込まれた、深みのあるキャラクター描写も健在です。表面上は好人物でも裏には複雑な一面を隠していたり、逆に悪役と見せかけて実は善意を持っていたりと、多層的な人物像が並行世界を通じて明らかにされる構成になっています。

 

懐かしい要素も散りばめられている点も見逃せません。マックスが再登場することで、第1作の舞台アルカディア・ベイでの出来事が思い出され、シリーズ全体の連続性を強く感じさせます。ノスタルジックな音楽と映像演出も健在で、アコースティックな音楽と美しいカメラワークがプレイする者の心に響きます。本作では特に、雪景色と郷愁的な映像が心に残る美しさを持っており、プレイするだけで癒されるとの声も多く聞かれます。

 

また、シリーズ伝統の衝撃的な展開も引き継がれており、プレイヤーの期待を裏切らない出来栄えです。エピソードごとに隠された驚きの数々は、「また何かが起こるのでは…?」と身構えていても予想外の展開に驚かされることが多く、息を呑む瞬間が随所に散りばめられています。

 

さらに、新たな方向性を感じさせる部分や、現代的な配慮がなされた親切設計も評価ポイントです。本作では、言語や字幕のサイズを変更できるだけでなく、センシティブな表現をオン・オフできる機能があり、より多くのプレイヤーが楽しめるような配慮がされています。そして『アルティメットエディション』にはボーナスとして可愛らしい“カレドンの迷い猫”が収録されているなど、猫好きなプレイヤーにも嬉しい内容が盛り込まれています。

 

総じて『ライフ イズ ストレンジ ダブルエクスポージャーは、シリーズファンにとって期待を裏切らない作品であり、進化したプレイ体験を提供しています。並行世界を舞台にしたミステリーと、マックスの成長を感じられるドラマチックな物語が見事に融合しており、何度も繰り返し遊びたくなる一作です。