あきない世傳 金と銀。浅草太物仲間は大阪や江戸で酷く苦しめられた呉服仲間と違い本当に懐の深い人たちだ

浅草太物商との協力体制が、しっかり固まる。火事に見舞われつつ、幸と五鈴屋は大きな災難とはならかった。一方、音羽屋に嫁いだ結の所は、大打撃となるが、五鈴屋潰しに拍車をかける。五屋の技を盗み歌舞伎役者を使い浴衣を売り出したり、綿の買い占めを行ったり。が、幸達太巻商は、協力しあって乗り切る。そして、毎年創業日の売出に来てくれるご夫婦の正体は、相撲の興行主とわかる。そして、幸に力士達への浴衣を注文してくれる。 まさしく、コンサートの物販。400年経っても、商売の根っこは変わらない。あー、次が楽しみ。浴衣を一時の流行りで終わらせないため技を伝授して、浅草太物仲間との絆を深める。毎年1回必ず来るお客様との絆を大事にしていたら、大きな依頼があった。小さなトラブルはあっても、店主は悠然としていて揺るがない。絆を大事にすること、誠実に商いをすることで着実に…という流れ。前巻と似た流れですね。そろそろ波乱も来るかな? 浅草太物仲間が呉服も扱えるように変化していけるかも…ということで、しばらくぶりの呉服商いも再開?浅草太物仲間、スゴイ決断!その発想は、やはり五鈴屋が己のことだけを考えるのではなく、太物をみんなで広げて行こう、みんなで商いを続けていこうという心がけが通じたればこそ。素晴らしい。今回はお相撲が絡んだのも嬉しかった。あのお方がまさかの。ずーっと以前からチラホラ出てくるだけだったけど、なんか意味深だった。ここまで引っ張っる伏線だったとは。驚きました。さて、話戻って。呉服太物仲間としてお上は認めてくれるだろうか。楽しみです。火事とかの天災の辛さはあったけど、人の裏切りとかそういう暗い話があまりない巻でよかった。力士と浴衣、いつ繋がるのかと思っていたらようやく。年に一度来るご夫婦の素性も分かってすっきり。浅草太物仲間から浅草呉服太物仲間へ、という申し出。情けは人の為ならず、的な?ちょっと違うか。ショッキングな状態での終わり方でなくこういう前向きな変化のわくわくでいつも終わってほしい。今巻は『和を以て貴しと為す』浅草太物仲間との協力体制で臨んだ浴衣販売は、一人では成し得ない仲間がいるこその喜び。呉服太物仲間へ書き換え案には涙が出ました。いつものご夫婦も判明。綿に縁があるなら在所の大地主?でもオシャレだし地方の大店?と考えたのですが当たりません(笑)惣二の存在も大きかった。音羽屋の憎し恋しも生きていればこそ。菊枝との相性も良さそうです。鈴簪が粋なお披露目でしたね。一度沸いて静まり、踊る鈴と絹ずれの音だけが響く舞台を想像すると鳥肌が立ちます。次は出帆編。呉服も商う五鈴屋の行く末や如何に。おもしろかった!ヒロインだけど幸はあまり好きじゃないけど、逆境を真っ当に乗り越えていくのを見るのはおもしろい。菊栄は好き。 賢輔が花火の時に幸の腕をとったり、火事の時に濡らした風呂敷で幸を包んだりと幸を守るところにキュンとした。お梅は結婚できたけど、お竹はこのまま一生独身なのかな。お竹にも春が訪れるといいな。11巻は火事が多くて悲しみが降りかかりましたが、五鈴屋の商売は順調。力士の名前を入れた浴衣は壮観なんだろうなあ。 そしてラストは遂に呉服を扱えるようになりそうな。。。うるうるしてしまった。全ては幸の誠実な商売のやり方によるもの。それに答える浅草太物仲間も素晴らしい。もう11巻!まずは幸先よくお梅どんの婚礼からはじまっておめでたい。この巻は全体としては何度も大火事見舞われる江戸で辛い事も多かったけれど、幸の器の大きさを何度も感じさせられて涙が…。江戸時代のお相撲は女性は観戦さえもできなかったとは知らなかった。商売以外にも本当に勉強になります。湯屋への往復にと浴衣を大いに流行らせた五十鈴屋。順調に商いが進んでゆくと思われた先の大火事。昔の家は木と紙。燃えにくい漆喰が推奨されていたが普及はまだまだ。橋は木。橋が燃え逃げ場を失った人達の阿鼻叫喚は想像を絶する。しかしここまで来ると、不幸が押し寄せ続けるのも飽きてしまった。そこを立ち上がる所が素晴らしいのだろうが。一年に一度買いに訪れる夫婦の夫が勧進相撲の旗本だとは。長年の正直な商いが実を結び、新たな発展を得る。妹・結は地に落ちたな。最終巻では結とはどういう結末になるのか?そこは楽しみだ。お梅どんのお嫁入りから始まる本巻は嬉しいことが多くワクワクしながら読めました。芝居に相撲というエピソードも活気のあるものでした。また横槍が入るのではないかと最後まで気が抜けませんでしたが、幸の尊い志で深まる太物仲間たちの絆とそこから見えた希望の光に五鈴屋の悲願が叶う日が近いのでは!そんな期待で涙しつつ読み終われました。次の巻も楽しみです!シリーズ第11弾。江戸時代の風俗も楽しみながら、仕事に邁進する幸たちを応援する。真っ当に生きてたら神仏は見捨てないと言う真っ直ぐな気持ちが、眩しい。現実的ではないという考えもあるだろうが、浮世は辛いからこそ小説では上手くいってほしいと思う。今回のトピックは勧進相撲。江戸時代は女性が相撲を見ることも出来なかったのは初めて知った。神事だから伝統だからと、女性知事を土俵に上げなかったり、ちびっ子相撲で女の子を土俵に上げなかったりと差別的なところは今も変わりません。(相撲好きな方、ごめんなさい。)浅草太物仲間のお店に惜しみなく技術と知恵をわける幸。太っ腹すぎる気もしますが、結果的には客を分け合い、利益を分け合い、地域として発展していきます。火事の後の火の用心の柄、力士の名前を浴衣に入れるというアイディア、図案を考える賢輔さんもすごいな。原材料の産地や職人さんの地位向上の大切さ、現代の仕事にも通じる理念だと感じるけど、余裕がないとなかなか難しいだろうな。菊栄さんのかんざしもめどが立ちそうでよかった。お梅どんも幸せそう。幸も幸せになってほしい。時代小説を読むと火事が如何に恐ろしい災害だったかが伝わる。幸の生きた時代にも…復興が進んで街並みは移り変わっても、変わらないものは幸たちの商いへの姿勢。私腹を肥やすことではなく、人から求められ永く愛されるものを作り出すこと。一丸となり邁進する五鈴屋の在り方に、同じ働く人間として背筋が伸びる思いです。結の様変わりには切ないものも感じつつ、年に一度のお得意様(力士OBだったとは!)のように、一人、また一人と、得難い人の繋がりがまるで滑らかに広がる鈴の柄の風呂敷のようで、爽快な読後感。次巻も楽しみです今回は太物仲間と協力して、力士たちの浴衣を作って売り出す。五鈴屋の知恵を惜しみなく提供する幸は素晴らしい。そうそうお梅も所帯をもった。テレビもインターネットもない時代、どうやって情報を伝えるのかと思ったが、街中を練り歩いて相撲の初日を知らせるのね。あとは口伝で。なるほど。浴衣を長く続く商品にするため、仲間たちと協力して取り組む巻。利を自分だけでなく、分け与えることで、より大きな利益が返ってくる。理屈は分かるけど、なかなかできることではないよなぁ。そして、江戸は本当に火事が多い。羽州ぼろ組も並行して読んでいるので、江戸の暮らしが見えてきて楽しい。相撲もとても人気のある庶民の娯楽だったんだろうな。江戸の五鈴屋、創業8〜9年目の話。相変わらず商売敵の音羽屋や大火事に振り回され、危機が続く五鈴屋だが、抜群の安定感を持って切り抜ける。もはや、読者が焦ることもない。 この巻では、浴衣を相撲興行で着てもらうため、幸たちが浅草の太物仲間と手を取り合って躍進する。浅草太物仲間は、大阪や江戸で酷く苦しめられた呉服仲間と違い、本当に懐の深い人たちだ。太物仲間の提案で、江戸の近くの綿の産地に投資する話、五鈴屋が呉服を再び扱えるようにする話が持ち上がり、次巻以降ますます話が盛り上がるか!?こにきて大火が広がるとは思わなかった。当時の火事は今と違って、少しのところから大きく広がっていくんだと改めて思わされた。この火事を経験しながらも、今自分たちには何ができるかを考えて動く幸の姿勢が立派だと感じた。物語に出てきた力士たちの浴衣は今もあるのかと気になったし、現代のスポーツのユニフォーム販売みたいなのも思い起こされた。物語のラストはいよいよ呉服が始められるということかな?次回への期待が高まった。