夜のピクニック。昔ながらのThe高校生の日常という感じだった。 父の不倫によって同級生に血の繋がった兄妹が居るため2人の仲は気まずく

作家さん初読み。第2回本屋大賞ですか。読み易く一気読みでした。携帯もスマホもない時代に大人になった世代としては、懐かしい青春時代を思い出し、、とは思うけど、そうじゃない世代の人たちにはどう映るんだろう?NTTは自宅が勤務地と言い、ググればSNSで生い立ちとかわかり、アメリカだろうが歩行祭にリモート参加出来る世の中。夜通し歩くイベントはあれど、コミュニケーションレベルは全く違うよな。と。 最近、ちょくちょく一昔前の名作を読むと、そんなことを思ってしまう。世代によって伝わり方は違うのは当たり前だけど。。最高に良かった。それしか出てこない。夜を歩く高校生達のお話し。ただそれだけなのに、こんなにもドラマチックに感じるのは何故なのか。登場人物が皆んな魅力的で、その内面を丁寧に心地よく描写してくれてるおかげなのだろう。疲労感と特別感がもたらす本音であったり内面であったりの嘘の無い素の姿が途轍もなく魅力的に見える。人それぞれ考えがあって、やっぱり話しをしなければ分かり合えない繋がれないのだと、でも話してみれば意外と構えてた程の事は無いのだと、そう教えてくれた気がする。当たり前が一番素晴らしいのかもね、知らんけど。読み始めは青春の爽やかな少年少女のお話なのかなと思ったけど、彼らの身に起きていることは爽やかでも何でもなく大人びていて、考え方もしっかりしていて、自分が高校3年生のときはこんなにしっかり物事と向き合うことができていたのかな?と思いました。 歩行祭という行事を通してそれぞれの抱える問題に向き合う姿が、本人たちは大変だったと思うけど、キラキラしていてとてもいいなと思いました。 高校3年生という、子供と大人の間の期間しか抱けないような貴重な特別な感情が描かれていて、すごいなぁと思いました。読めてよかった。歩行祭という奇天烈な学校行事で繰り広げられる高校生たちの人間ドラマを描いた青春小説。途中2時間の睡眠はあるものの、24時間歩きっぱなしって、相当過酷な行事だなと思う。今は体罰だなんだとうるさい時代だからこんな行事がある学校はないと思うが、実際やったら面白そうだなとも思った。内堀亮子が「高校時代の恋人」というアルバムの写真を残すために付き合おうとすることに嫌悪感を抱く西脇融の感情には共感を覚えた。自分も、もしそういう思い出作りとか何だかの打算的な意図だけで人付き合いをするような人がいたらなんか嫌だなと思う。長編よろしく、著書は長い道のりを読者も連れて歩いていく。ノスタルジックな時代へ思いは飛び、懐かしい顔が浮かんでくる。果たして、自分達はこんなに大人びていただろうか。その、友を思いやる登場人物達に、気持ちの良さを感じる。だから結末はハッピーであって欲しいと、佳境に入って行くと願わずにはいられない。そして期待を裏切らない幸福感をくれる。「歩行祭」という学校行事だからこそ語られる事、友達と過ごすこの時間は、きっとこれからの彼らの人生を支えてくれるのだろう。羨ましさと共に、この著書が秀作であることを確認する。高校生がひたすら歩くだけなのにとても面白く、読破後には温かい気持ちになる本だった。普段夜まで一緒にいることのない高校の友人と一緒に過ごした夜というのは特別感と高揚感があるのはすごく共感できる。途中の話題で高校の間、特に受験期に恋人を作ることについてを思い出作り、記念品と表現してたが僕も無理して思い出を作ろうとしていた節があったので心が傷んだ。高校生の内に読んでおきたかった高校生活最後の歩行祭。その歩行祭で異母兄弟の貴子と融の心の成長を描く青春本。 とっても青春していて羨ましいくらいだった。周りの友人達もみな大人びていて良い子たちばかり。淡々と話が進んでいき、とても読みやすい。読後はとても爽やかな気分になれる本。 唯一、貴子の母親の行動はちょっとどうかな?と思う。相手の子の立場もあるのだから友人に秘密を打ち明けることはすべきではないと思う。葬式にものこのこいってるし、貴子の母はこの本を読んだだけだととても非常識で自分勝手な人だと思った。タイトルをみて、あらすじを確認せずに購入した。実際読んでみてこういう時代は、かけがえのないものだと年をとって改めて感じている。夜通し歩き続ける行事が高校時代にあったら嫌だったと思うけど、こういう行事の方が修学旅行とかよりも記憶に残るというのは確かだと思う。きつくて大変だったとしても、なにか達成感がある出来事の方が想い出として色濃く残っている。この行事はまさにそうだろうなと思う。貴子と融の距離もこの行事がなかったら一生近づかなかっただろう。物語のテンポがよくて一気に読むことが出来た。この著者は初めて。面白くて一気に読み。歩行祭か〜。私は普通に修学旅行でしたが、実際に歩行祭がある学校ってあるんですかね?たしかに細かにスケジューリングされた修学旅行とは違い、みんなで一つの目標に向かって団体行動することでクラスメイトや親友と一体感が生まれたり、体を酷使する極限状態で自分自身を見つめ直したり、多感な高校生時代にこういうイベントがあるのもいいですね。私自身も彼らと歩行祭に参加し融と貴子を見守っているような気持ちでした。それにしてもスタンフォードの杏奈ちゃん恐るべし笑貴子と融の視点を交互に行き来しながら、歩行祭は進んでいく。街って、死って、人生ってなんだろうと歩きながらぼんやり考えるなんてモラトリアム感満載。ただ(本当に個人的な感想としては)貴子の設定に少し引っ掛かりを感じたりして……、学生時代に読んでいればまた違った感想を持ったかもしれない。な、ながい…。蜜蜂と遠雷と同じ感想だが、歩行祭という一つのイベントでこれだけのボリュームを書けるなんてすごいと思う。ただ、蜜蜂と遠雷と異なり、終盤まではなかなか読むペースが上がらなかった。というのも、物語の核はほぼ一つ、異母兄弟である2人が気まずさを持っているというもののみで、他の部分は本当にとりとめもないことのように感じたからだ。2人が打ち解ける場面には少しうるっと来たが、もういくつか核となるものがあっても良かったのではないかと感じた。カラッとした爽やかな青春小説。学校行事でくたくたなのに特別な夜の空気が懐かしい!心の動きと重なる風景描写、特に夜明けが印象的だった。読むのは二冊目の作家さんだけど、他も読んでみたいな。主人公は、同じクラスの高三の男女。異母兄弟である二人は、お互いを強烈に意識をしているが、口をきいたことが無い。 高校生活最後のイベント、夜八時にスタートして夜通し歩いて朝ゴールする歩行祭。歩きながら二人は距離を縮める。 最初は登場人物がちょっと多くで誰が誰だかってなってしまったけれど、おもしろくて一気に読めた。 特別な出来事が起きるわけではなく、ただただ高校生が歩いているだけ。私が高校生の頃にも、30キロくらい歩く、強歩大会という似たようなイベントがあったので、その時のことを懐かしく思い出しながら読めた。高校生たちが80kmを歩く「歩行祭」という行事が舞台。 主人公の融と貴子は異母きょうだいで、父親の不倫で生まれた同級生である複雑な関係。 だからこそ、お互いが相手を想うあまり、 (近くなりたいけど、でも今じゃない。きっとあの人は私を嫌っている。) と色んな感情が絡まり捻じれ、距離を広げざる得なかった。 それが、「歩行祭」で感情も言葉も全てが真っ裸になった状況を機に、本当に少しずつ二人の心が開放されていく。 風景描写も相まって、二人の心情変化が本当に気持ち良く、非常に爽やかな読了感が味わえました。夜通し歩く歩行祭。距離は40kmほどだが私が高校の時にもあった笑 読みながら疲労の感覚が鮮明に思い出されて自分の経験と合わさって懐かしかった。物語としては、ただ歩くだけの1日の中に、異父兄弟の2人の成長や、個性がはっきりしていて魅力的な友達との関係、恋愛等の青春があり、何か大きな事件が起きるわけでもないのに面白かった。冒頭の晴れた日は当たり前ではないという下りから、貴子が融が忍のような存在などを当たり前に思っているのではないか、という部分が、自分も周りの環境を当たり前と思っているなーと感じて反省した。