一瞬一瞬の不思議に集中せよ。それは美しい風景の中を旅するようなもの。日没ばかり求めていては夜明けを見逃す。

今回の旅で、欧州キリスト教圏、中東イスラム教圏、アジア仏教圏、各々で現地の方といろいろ交流し、数えきれぬほど笑顔&握手を交わして感じたのは、ガンジーの言葉「人間性への信頼を失ってはならない。人間性とは大海のようなものである。ほんの少し汚れても海全体が汚れることはない」の圧倒的な説得力。どこの国でも、良い人もいれば悪い人もいる。旅に出て2日目に腕時計を盗まれ、他にも辛いことはあったけど、その何十倍も心が温まる親切を様々な人から受けました今一度、叫びたい。民族が違うとか宗教が違うとか、自分と他人の中に違う所を見続けて始まるのが戦争で、逆に言語や風習が違っても、他人の中に同じ所を見ようとするのが芸術です。ドイツ人のベートーヴェンや、オランダ人のゴッホに、国も時代も異なる我々が「心を重ねて」感動できる素晴らしさ。世の中に芸術がこんなにあふれているのは、究極的に人が分かり合える証拠です。これは綺麗事で言っている訳ではありません。もし分かり合えなければ、何百年も昔の芸術作品がこれほどまでに残る訳がないのです。国籍や文化が違っても、人間は相違点よりも共通点の方がはるかに多いことを芸術は教えてくれます。 世の中がキナ臭くなってくると、日本人と他国民の違いを“ことさら”に煽る人が必ず現れます。だから僕は当サイトで吠え続けます。「確かにあなたが言うように相違点はある。けれども、共通点はその何倍も多い」と!・負け犬の本当の意味は、負けることを怖がるあまり挑戦しないヤツらのことだ(映画『リトル・ミス・サンシャイン』) ・その時は不幸だと思っていたことが、後で考えてみると、より大きな幸福のために必要だったということが、人生にはよくあるの(フジ子・ヘミング)ピアニスト ・何もかもが失われた時にも未来だけはまだ残っている(ロバート・H・ゴダード)ロケット技術者 ・状況として必要ないときでも笑顔を浮かべること。怒りを感じているとき、みじめな気持ちのとき、 世界にすっかり押しつぶされた気分のときに笑顔を浮かべること…それで違いが生じるかどうか見てみること。(略)笑顔が返ってこなくてもがっかりしないこと。受け取った笑顔一つひとつを、貴い贈り物と見なすこと(ポール・オースター「ゴサムハンドブック」) ・失敗を恐れるな。失敗することが罪ではなく、目標を低く掲げることが罪なのだ。大きな挑戦では、失敗さえも栄光となる(ブルース・リー) ・船は港にいる時、最も安全であるが、それは船が作られた目的ではない(パウロ・コエーリョ)作家 ・どこまで行けるかを知る方法はただ一つ、出発して歩き始めることだ(アンリ・ベルクソン)哲学者 ・人生はゼロから生まれゼロに戻るのだから、失敗しても何も損はしない(英コント集団モンティ・パイソン) ・人生どうせ棒に振るならフルスイングで(山口隆サンボマスターのヴォーカル ・親が子供に教えなければならないのは“転ばない方法”では無く、むしろ人間(ひと)は転んでも何度だって立ち上がれるという事じゃないか!?(羽海野チカハチミツとクローバー』) ・人生で肝心なのは、どれだけ強いパンチが打てるかではなく、どれだけパンチを受けられるかだ(シルベスター・スタローン) ・99回倒されても、100回目に立ち上がればよい(ゴッホ) ・人は何も死ななくても、その人生の中で何度でも生まれ変われる(日渡早紀)マンガ家 ・学校や肩書きなど関係ない。清流に棲もうがドブ川に棲もうが、前に泳げば魚は美しく育つのです(松井優征暗殺教室』第3巻) ・暗闇で振り回す両手もやがて上昇気流を生むんだ (Mr.children「one two three」) ・「信念さえあれば人間に不可能はない!人間は成長するのだ!してみせるッ!」(マンガ『ジョジョの奇妙な冒険』/荒木飛呂彦) ・絵具がなければパステルで、それもなければクレヨンで、クレヨンもなければ鉛筆で、裸で監獄に入れられたら、指にツバを吐いて壁に描く(ピカソ) ・生きろ、そう叫びながら心臓はビートを刻んでいる(村上龍)作家 ・不当な目にあったことは、あなたがそれを覚えていない限りなんでもないことなのだ(孔子) ・人を憎んでいる暇はない。わしにはそんな時間はない。(黒澤映画『生きる』) ・人間は、行動した後悔より、行動しなかった後悔の方が深く残る(トム・ギロビッチ)心理学者 ・取り返しがつかないことをしたと思った時、ある時間待ってみる力を奮い起こすように(大江健三郎)作家 ・信じて騙されるのは、誠のものを疑うよりどれ程まさっているだろう(倉田百三)作家 ・幸福が現実となるのは、それを誰かと分かち合った時だ(映画『イントゥ・ザ・ワイルド』) ・自分を励ます一番のやり方は、人を励ますこと(マーク・トゥエイン)作家 ・そこにたどりつこうと焦ってはいけない。「そこ」など、どこにもないのだから。本当にあるのは「ここ」だけ。今という時にとどまれ。体験をいつくしめ。一瞬一瞬の不思議に集中せよ。それは美しい風景の中を旅するようなもの。日没ばかり求めていては夜明けを見逃す。(ブラックウルフ・ジョーンズ)ネイティブ・アメリカン ・恥じなんてかいてナンボだ。“失敗した”って事は“挑戦した”って事だからな。何もやんねーで他人の事笑ってる人生よりずっとマトモだ(羽海野チカ3月のライオン』) ・古人の跡をもとめず古人の求めたる所をもとめよ(松尾芭蕉) ・あのときのあの苦しみも あのときのあの悲しみも みんな肥料になったんだなあ じぶんが自分になるための(相田みつを)詩人 ・立ち上がっては倒れ、立ち上がっては倒れ、その足もとはおぼつかないかもしれない。けれども、立ち上がったことは、一生忘れることのない、かけがえのない記憶となる(ガンジー)今回の仕事は約2カ月でちょっと長い。船で働きながら、欧州から日本まで港町の墓所を巡礼していく。一昨年に亡くなったギリシャの映画監督テオ・アンゲロプロス氏はアテネに眠り、『2001年宇宙の旅』の原作者アーサー・C・クラーク氏はスリランカ墓所がある。共に初巡礼。敬愛するチェロ奏者パブロ・カザルスの墓と生家は、スペイン・カタロニアのエル・ベンドレルに。知床半島を横断する際に訪れた。途中の道はキタキツネやエゾシカがいっぱい。峠(738m)に立つと目の前に羅臼岳(1661m)がそびえ、遠方に北方領土国後島を望むことができた。18時過ぎで観光客が誰もおらず大自然の中でたたずむ。野鳥の声だけが聞こえていた。※ちなみにS氏の第1位はこの知床峠だった。 3.釧路湿原ラムサール条約に登録されている日本最大(甲子園約7000個分)の湿原。遊歩道を歩くと突然眼下に広大な湿地帯が地平線まで広がり仰天した。メインの湿原展望台の他に細岡展望台があり、こちらは蛇行する川が見え変化のある風景が楽しめる。釧路湿原に行く人は必ず東西から堪能して欲しい。知里幸恵さん(1903-1922)は絶滅の危機に瀕していたアイヌ文化を救い19歳で病没した少女。彼女は文字を持たないアイヌの間で口承されてきた叙事詩ユーカラを、アイヌ民族の手で初めて記録した『アイヌ神謡集』を刊行した。登別には知里さんの記念館があり、自筆の原稿に触れることが出来る。凜とした美しい文字に泣きそうに。墓参前に知里さんの姪御さんとお話した。ノーベル文学賞作家の仏作家ル・クレジオは『アイヌ神謡集』のフランス語訳の出版時に知里さんに墓参している。