主演はトム・クルーズ、敵はエイリアン、何だか既視感ありまくりで映画館に行かなかったけどDVDで観て面白さに驚いた

10月の衆院本会議で「子どもを産んですぐ保育所に預けて働きに出るというのは、社会に子どもを育ててもらうわけで、そうなると家庭の機能は低下し、乳幼児にとって由々しき問題だ。3歳までは母親との十分なスキンシップが極めて大切である」と発言したが、これは厚労省も「合理的な根拠は認められない」としている“3歳児神話”を論拠にもち出している。次世代の党の政策に「子育て主婦軽視につながる男女共同参画施策をやめます」と明言。発言の過激度ではナンバー1、次世代の党で女性局長を務める。今年10月、国会で「男女平等は、絶対に実現しえない反道徳の妄想です」と断言。日本に男女差別は「ない」と言い切り「あるとすれば、それは日本の伝統のなかで培われた男性としての役割、女性としての役割の違いでしょう」「(基本的人権が守られている上に)そこにさらに女性の権利、子供の権利を言い募ると、それは特権と化してしまう」と、絶句するほどの前近代的主張を繰り広げている。夫の稼ぎだけでは一家が賄えない状況や子どもの貧困化といった社会状況を分かっていない。読売新聞のインタビューで「“保守政党たる自民党が夜間や休日の保育園を充実することが、本当に子育て世代の応援か”と首相に苦言を呈しましたよ」と発言。子育てと仕事を両立する女性たちが、いかに残業と休日出勤という大きな壁で苦しんでいるかは、想像すれば簡単にわかること。その救済策さえひねり潰そうとしている。東宝が新作『ゴジラ』の製作発表 ハリウッド版の新作GODZILLAに触発されたのか、東宝も2016年に『ゴジラ』最新作を公開するとのこと!04年公開の『ゴジラ FINAL WARS』以来12年ぶりの“国産ゴジラ”であり、この間に特撮・CG技術が飛躍的に進化していることから、どんな作品になるのか楽しみだ。来春歌舞伎町に開業する新宿東宝ビルに“実物大”のゴジラ頭部を設置し、新宿の新たなランドマークにするという。先日、安倍氏がテレビ番組の中で「民主党は公約に書いてないことをやったから政権から落ちた」と分析していた。そう、確かに“議論すらしない”と約束していた消費増税を決めた民主党は叩かれて当然だ。だがしかし!東京新聞がまとめた“安倍自民党が裏切った公約一覧表”を見ると、これでもかというほど公約と真逆の政策を行っており、中には秘密保護法のように「公約になかった」ものを強行可決で成立させた法案もある。しかも秘密保護法は権力者が不都合な情報を指定してずっと隠せるというトンデモ法。秘密を知ろうとした者は罰せられるが、秘密に指定した側はそれが不当と発覚しても罰せられないズルい法。「安倍ファシズム政権」という言葉が尖りすぎなら、「公約“変質”政権」と言わせてもらおう。スピルバーグ『戦火の馬』DVD鑑賞 スピルバーグが3年ぶりにメガホンをとった作品とあって期待して鑑賞。一頭の馬を中心に第一次世界大戦を描いた異色の戦争映画。英軍、独軍の両陣営の戦馬となったことで、作品の奥行きが一気に深まった。観ていて感じたのは、日本人だって馬を大事にするけど、西洋では馬を“友人”として尊重し、畏敬の念さえ持っていること。スピルバーグはこの作品に年齢制限をかけられぬよう流血シーンを避け、戦闘描写には『プライベート・ライアン』のような非情さはない。でも、塹壕直撃の砲弾で吹き飛ぶ兵士(シルエット)や毒ガス戦もちゃんと描いていた。開戦時は職業軍人が美学に基づいて騎馬戦を行うこともあったけど、終戦時は学生あがりの新兵が大量破壊兵器の前にバタバタ散っていくという、第一次大戦の特徴が描かれていた。ドイツ兵がみんな英語で会話していて、今どきの映画と思えない違和感があったけど、これも全年齢を対象にしているからだろう。最も印象に残ったのは鉄条網に馬が絡まったシーン。イギリス兵にもドイツ兵にも良い人間がいて、馬の命を救うために一時休戦する。敵方のドイツ兵がたくさんカッターを提供するのも良いし、協力した両者の別れ際のセリフ「弾に当たるなよ」が実に良い。クライマックスはスピルバーグならではの見せ方の上手さを感じた。88点。※12/10深夜にNHKBS1で海外ドキュメンタリー『史実“戦火の馬”』がオンエアされます。自民党衆議院解散の前日(11/20)、大手テレビ各局に対して、選挙報道の「公平中立」を求める文書を渡したことが波紋を呼んでいる。報道機関に対する政党からの申し入れは珍しいことじゃない。でも、出演者の発言回数・時間や、ゲスト出演者の選定、取り上げるテーマや街頭インタビューの内容など、政権与党が報道の内容にここまで具体的に指示を出した例は前例がない。また、文書を送るという形ではなく、各テレビ局の責任者を個別に呼び出して文書を直接手渡したのも特徴的。 一見、“公平中立を求めるなら良いじゃないか”と思いがちだけど、野党の弱小政党が「巨大与党に有利な報道に偏らないで欲しい」と訴えることと、巨大与党がこのタイミングで「公平・中立」を念押しすることは、意味合いが全く異なってくる。「権力の言うことを聞け」と言えば問題になるため、「公正・中立に」と言い換えているだけだ。与党が報道機関から厳しい目で見られるのは、政策決定権を持っている以上先進国では当たり前。こんな通達を出されては、番組制作者は公平を意識しすぎて政権批判を自主規制せざるを得なくなる。結果的に批判を許さないと言っているに等しい。メディアへの自民の「要望書」が効いたのか、俳優・菅原文太さんの訃報当日、文太さんが熱心に取り組んでいた「脱原発」「反秘密保護法」「集団的自衛権反対」といった活動を伝えたのは、『報道ステーション』と『NEWS23』のみだった。NHKは夫人のコメントから「日本が再び戦争しないよう声を上げる」というくだりを丸々カットして放送。文太さんに関する自主規制は、翌日のワイドショーでさらに酷いことに。保守路線の日テレ系『スッキリ!!』『情報ライブ ミヤネ屋!』が一切触れないのはともかく、TBS系『ひるおび!』までが映画俳優の足跡だけを特集し、政治活動については全く報道しなかったとのこと。『オール・ユー・ニード・イズ・キル』 主演はトム・クルーズ、敵はエイリアン、何だか既視感ありまくりで映画館に行かなかったけど、DVDで観て面白さに驚いた。“死んでも前日に戻って復活する”という、ある意味、究極の「覚えゲー」(覚えて強くなるゲーム)ムービー。何度も死に続けるのは悪夢でしかないけど、この“ゲーム”は経験値が加算され戦闘力も上がっていくため、セーブ・ポイントへ戻るたびにどんどん強くなっていき、当初は突破できなかった難関を攻略できた際のカタルシスがたまらない。観ている側には、“えっ、ここは初めてじゃなかったの?”“いったい何回目!?”という、本作ならではの面白さがあった。でも冷静に考えると、ケガをしただけで元気な状態で再プレイするためリセット(死亡)しなければならないとか、惚れた相手が死ぬのを何度も見なきゃならないとか、考えただけで心が壊れてしまいそう。呆気なく死んでしまうシーンで笑えるのも、“どうせすぐに復活できる”と分かっているから。それだけに、生死について感覚がマヒしていたタイミングで、「ここからはコンティニューなしの即ゲームオーバー」とルールが変わったときの緊張感&絶望感はハンパじゃなかった。考えてみれば、その状態は僕らの人生と同じ。現実の生死はぶっつけ本番で、やり直しがきかず一度きり。マジで生命は大切に使わないと! コミカルな場面(「OK、リセットしてくれ」)からシリアスまで自然体で演じるトム・クルーズは、まさにドンピシャの配役だった。序盤は逃げることばかり考えるヘタレ顔の男だったのに、次第に表情が古参兵になっていくという、「顔つきの変化」まで演じ分けられるのはさすが。ヒロインのエミリー・ブラントも良い立ち姿。90点。